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パートは有給休暇がもらえない?発生条件や付与日数、平均賃金、取得義務化などのルールも解説

パートは有給休暇がもらえない?発生条件や付与日数、平均賃金、取得義務化などのルールも解説労働法

まえにウチの母と話していて、

ウチの母
ウチの母

パートは、有給休暇がもらえないんでしょ…

だって、もう10年くらいはたらいてるけど、会社からは「パートは有給休暇はない!」って言われてるよ…

といわれ、おどろいたことがあります。

しゅう
しゅう

まさかこんな身近に、ブラック企業の被害者がいたとは…

条件を満たせば、パートでも有給休暇はもらえます

ウチの母のような人を増やさないためにも、この記事では、パートの有給休暇取得について、条件や付与日数などの基本ルールから、時間単位での取得や取得義務化まで、わかりやすく解説します。

「有給休暇を使いたいけど、会社が認めてくれない…」という方は、ぜひご覧ください。

◆「パート社員のルール・情報全般」を知りたい方には、こちらの記事もオススメです。
・記事「パート社員とは?残業代、雇止めなどのルールも解説

◆次の会社を探したいときには、こちらの記事が参考になります。
・記事「失敗しない転職先の探し方・見つけ方!
・記事「派遣社員になりたいとき

【パートの有給休暇 1】パート社員は有給休暇がもらえない?

【パートの有給休暇 1】パート社員は有給休暇がもらえない?

まず結論として、次の2つの条件をみたせば、パートも有給休暇はもらえます

  1. はたらきはじめてから、6ヶ月たっている
  2. その期間の全労働日の8割以上出勤している

毎日出勤するパートだけでなく、「シフト制で週に1日だけはたらく」という場合でももらえます。
(ただし与えられる日数は変わってきます)

もちろん「学生アルバイト」や「派遣社員」も、条件をみたせば有給休暇がもらえるんです。

会社が「パートは有給休暇がない」というのはウソで、その会社には罰則があります。

上記の「条件」について、くわしくは後述しますので、まずはパートの方に「ザッと」でいいので知ってほしい「労働基準法」についてご紹介します。

パート社員も守ってくれるのが「労働基準法」

はたらく人をまもってくれる「労働基準法」。
労働時間や休憩時間、給料や残業代などの「最低基準」を決めています。

もしかすると、

でもそれは、正社員のためのをまもるための法律でしょ…

と思っている方もいるかもしれませんが、それはちがいます

対象となるのは「はたらく人すべて」です。
もちろんパート社員も、「労働基準法」の対象となります。

そして、「適正な労働時間」や「休憩時間」を与えない会社は「労働基準法違反」となり罰せられます

「会社がいうことだから…」と、なんでも信じてしまわず、

会社は「パートは有給はない」っていうけど、ホントかな?

労働基準法はどうなってるだろ?

と、調べるクセをつけましょう。
そうすると、ブラック企業(上司)にだまされません。

ちなみに、「ボーナス・退職金」については、労働基準法などの法律でなんの決まりもありません
そのため、支給ルールは会社が独自に決めていいことになり、「正社員にだけ出す」というルールも「問題なし」となります。

有給休暇とは?取得率の推移データ

有給休暇とは、一定期間はたらいた社員に「心身の疲労を回復し、ゆとりある生活を保障する」ために与えられ有給」で休める、つまり休んでも給料が減らされない休暇のことです。

法律では「年次ねんじ有給休暇」ともよばれ、前項でご紹介した「労働基準法」の39条で、ルールがきめられています。

つまり「有給休暇を与えない」ことは、「労働基準法39条」に違反していることになり、それで会社が罰せられるというわけです。

また、有給休暇の取得率は、下グラフのとおり。
2019年からは「有給休暇の取得が義務化」されたため、取得率が急激に上昇しました。

しゅう
しゅう

女性のほうが、男性よりも取得率がたかいんですね

【パートの有給休暇 2】年次有給休暇の基本的なルール

【パートの有給休暇 2】年次有給休暇の基本的なルール

次に、年次有給休暇の「基本的なルール」をご紹介します。

[有給休暇の基本ルール①]対象となる人・雇用のカタチ

有給休暇は「労働基準法」で決められたルールです。

労働基準法39条(年次有給休暇)
使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。

ですから「対象となる人」はすべての労働者、つまり社員です。

正社員・パート・アルバイト・契約社員など、「雇用のカタチ(雇用形態)」にかかわらず、次項の「条件」を満たせば、有給休暇の権利が発生

あとは会社に申請すれば、休むことが可能になります。

[有給休暇の基本ルール②]発生する条件

前述したとおり、有給休暇が発生するのは、次の2つの条件を両方みたした場合です。

  1. はたらきはじめてから、6ヶ月たっている
  2. その期間の全労働日の8割以上出勤している

それぞれの条件を、くわしく確認しましょう。

[条件①]はたらきはじめてから、6ヶ月たっている

ひとつのパート先で、6ヶ月はたらくこと(継続勤務)がひとつめの条件です。

ここでいう「継続勤務」とは、「在籍期間(その会社に籍を置いている期間)」を意味しており、「連続して出勤する」必要はありません。
そのため、休業中や休職中でも「継続勤務」とみとめられます。

また、たとえば会社が、

ブラック社長
ブラック社長

3ヶ月ごとの雇用契約を更新しているから、有給休暇は発生しないよ…

といっても、さらに「その契約更新のあいだに、はたらかない期間が数日あった」としても、実質的に6ヶ月以上はたらいていれば、この条件をみたします
(参考:厚生労働省「パートタイム労働法のあらまし」)

[条件②]その期間の全労働日の8割以上出勤している

2つめの条件が、「その期間の全労働日の8割以上出勤している」こと。

こちら↓の計算式で出勤率を求め、8割以上なら条件クリアです。

出勤率
出典:香川労働局

なお、下記については「出勤したもの」とみなされます。

  • 遅刻・早退した日
  • 産休・育休の期間
  • 労災での休業期間

[有給休暇の基本ルール③]付与(もらえる)日数

前項の2つの条件を満たせば、有給休暇が発生することがわかりました。

そして、「はたらく日数・時間」によって、付与ふよされる(もらえる)有給休暇の日数も、以下のようにかわります

なお、「所定労働日数」・「所定労働時間」とは、会社の就業規則などできめられている、週あたり、または月あたりの労働日数や時間です。

[付与日数①]一般の社員、週30時間以上はたらいている社員の場合

一般の社員(いわゆる正社員)や、パートでも次の時間・日数のどれかではたらいている場合

  • 所定労働時間が、週30時間以上
  • 所定労働日数が、週5日以上
  • 1年間の所定労働日数が、217日以上

この人たちには、下表のように有給休暇が与えられます。

勤務期間半年1年半2年半3年半4年半5年半6年半以上
有給休暇の
付与日数
10日11日12日14日15日18日20日

[付与日数②]はたらくのが週30時間未満・週4日以下の社員の場合

パートで、前項の時間や日数よりも少なくはたらいている(週30時間未満・週4日以下)ときは、はたらく日数に合わせて、下表の有給休暇日数が付与されます。

なお、所定労働日数が週で決まっている」ときは「週所定労働日数」を、それ以外の場合は「1年間の所定労働日数」で判断します。

[有給休暇の基本ルール④]繰りこしと時効(有効期限)

与えられたけれど、年度内に使いきれなかった有給休暇」は、次の年への繰りこしができます。
ただしその権利の有効期限は発生から2年で、それをすぎると時効となり消滅します

上図をつかって説明すると、入社から半年後の「2015年7月10日に発生した年休」は、次の年(2016年7月10日以降)への繰りこしが可能

ただし2017年7月10日が有効期限となり、それをすぎると時効で消滅してしまいます。

しゅう
しゅう

モッタイナイので、有給休暇はできるだけ2年以内に、使い切りましょう

[有給休暇の基本ルール⑥]その他のルール

ここまでご紹介したほかにも、有給休暇には次のようなルールがあります。

[その他ルール①]「取得する理由」は会社にいわなくていい

多くの会社で「休暇理由」を書かせますが、本来は理由を会社にいう必要はありません(労働基準法39条)。

しゅう
しゅう

さらにいうと申請さえすれば、会社に許可を得る必要すら、本来はありません

「書かないと、上司にいわれてメンドウ…」というときは書いてもいいですが、会社が「その理由しだいで、休暇を認めない」のは違法

後述する「対処法」を参考に、対応してみてください。

[その他ルール②]会社は原則拒否できないが「時季変更権」も

会社は、社員が申請した有給休暇について、原則として拒否できません

ただし、申請した日が「事業の正常な運営を妨げる場合」には、例外として、有給休暇を与える時期を変更することができます(「時季変更権」といいます)。

これはあくまで例外の対応で、「代わりの労働者を確保できないほど、困難な場合」に限られます。

さらに変更する期間は「合理的期間内」とされていますから、

ブラック社長
ブラック社長

このごろは仕事が忙しいから、半年たったら休んでいいよ…

なんていうことは、許されません。

[その他ルール③]消化できない分を会社が「買い上げる」のは義務ではない

与えられた有給休暇で、消化できなかった分を「会社が買い上げる」のは義務ではありません

ここは法律で決まっていないため、「買い上げる」のも「買い上げない」のも、会社の自由

ただし、最初から「買い上げる」ことに合意して、有給休暇を与えないことは違法となります。

[その他ルール④]年休取得による不利益取扱いの禁止

有給休暇を取ろうとすると、会社が、

ブラック社長
ブラック社長

それなら、キミの査定は下がるよ!

あと「皆勤手当」もナシね…

こんなことをいって、「不利益な取り扱い」をしてくる。

このような「年休の取得による不利益取扱い」も禁止されています(労働基準法136条)。

有給休暇で会社とトラブルになったときには、こちらの記事で紹介いている機関に相談してみてください。

わからないことがあったら、厚生労働省のサイトへ

ここまでご紹介したように、単純にみえる有給休暇にも、じつはたくさんのルールがあります。

ここはどうなってるんだろう?

と、わからない点があったら、できるだけ厚生労働省のサイトで確認するようにしてください。

「言いまわしがわかりにくい」という欠点はありますが、なによりすべて正しい内容です。

しゅう
しゅう

僕の記事ももちろん「正確さ」を心がけていますが、できるだけ「わかりやすく」書いているため、もしかすると誤解される部分があるかもしれません

まずは厚生労働省のサイトで、根本的なルールを確認。

そしてわかりにくい部分があったら、民間のウェブサイトをみるようにしていくと、ブラック企業にまけない情報を得ることができますよ。

【パートの有給休暇 3】休むときの給与(平均賃金など)の計算方法

【パートの有給休暇 3】休むときの給与(平均賃金など)の計算方法

有給休暇で休むときは、その分の給料がちゃんと支払われます。

その支払われる金額を求める計算方法としては、次の3つの方法があり、どの方法を使うかは会社の自由です。

有給休暇で休む時の給与の計算方法
  1. 平均賃金(過去3か月間における、1日あたりの給与)
  2. 通常の賃金(所定労働時間をはたらいた場合に、支払われる給与)
  3. 標準報酬日額(全国健康保険協会の保険料額を基準とした額)

パートについては、上記2「通常の賃金」を使うことが多いよう。
就業規則などで「どの方法を使用するか」記載されていることが多いので、一度確認してみましょう。

なお、上記1「平均賃金」で計算するときは、次の(A)・(B)をくらべ、高いほうを使います。

【パートの有給休暇 4】「2時間だけ…」時間単位で休むことはできる?5日分を限度で可能に

【パートの有給休暇 4】「2時間だけ…」時間単位で休むことはできる?5日分を限度で可能に

2010年4月からは、年次有給休暇を「2時間だけ…」といった「時間単位でとることができるようになりました。

ただし、「年次有給休暇を時間単位でとる」には、会社側と社員側が「労使協定」をむすんでいることが必要。
上司や人事部の社員などに、

ウチの会社は、時間単位の有給休暇はとれますか?

と聞いてみましょう。

「労使協定」をむすんでいれば、1年に5日分を限度に、時間単位の有給休暇がとれます。
しかし「分単位」など、時間未満の単位はみとめられません。

また、時間単位という制度を「導入するかどうか」は会社が決定でき、対象となる従業員についても、会社が決められます。

ただし「パートタイム労働法8条」で決められたとおり、正社員とパート社員についての「差別的扱い」は禁止

正社員には”時間単位の年休”を与えているのに、パート社員は対象から外す」ことは、不当な差別となり許されません

なお、社員側が希望し会社側が同意したなら、労使協定がむすばれていない場合でも、半日単位の有給休暇をとることが可能です。

【パートの有給休暇 5】休んだあとに「事後申請」で有給休暇にできる?

【パートの有給休暇 5】休んだあとに「事後申請」で有給休暇にできる?

体調不良などで休んだとき、有給休暇がまだあるので、

昨日やすんだ分、有給休暇で申請してもいいですか?

と聞いたところ、会社から、

上司
上司

有給休暇は「事前申請」がルール!

「事後申請」はみとめないよ!

といわれてしまった…。これって違法ではないの?

結論としては、会社が「有給休暇の事前申請しか認めない」のは違法ではありません

前述のとおり、会社には年休の「時季変更権」があります。
そのため、社員がせめて前日までには申請しないと、会社側が「時季変更権」の判断ができない、というわけです。

「事後申請」を認める会社もありますが、これはあくまで会社の自由

ただ、もしかすると上司のカンチガイで、「事後申請」を認める会社かもしれませんので、就業規則などでルールを確認してみましょう。

それと、就業規則でルールがきまっていなくても、これまで「慣習(以前から行っている習慣)」として「事後申請」を認めてきたなら、今回も会社は認めなければなりません

会社の先輩や、人事部社員などに、有給休暇の「事後申請」ルールはないか、聞いてみてください。

【パートの有給休暇 6】2019年にはじまった取得の義務化

【パートの有給休暇 6】2019年にはじまった取得の義務化

2019年4月からは、10日以上の有給休暇をもつすべての社員に、毎年5日間の有給休暇をとらせることが「会社の義務」となりました

これに違反すれば(社員に年休を与えなければ)、会社は罰せられます(労働基準法120条1号)。

対象となるのはすべての社員ですので、「10日以上の有給休暇」をもつなら、正社員だけでなくパートもアルバイトも、5日間は休めます。

なお、ここで「10日以上」というのは、「その年に、新たに与えられる日数」のこと。
「前年から繰りこした日数」は入れずに、日数をカウントしてください。

しゅう
しゅう

もしあなたが対象となるなら、ちゃんと休めていますよね?

休めていないなら、次項の方法を試してください

【パートの有給休暇 7】会社に「有給なし!」といわれたときの対処方法

【パートの有給休暇 7】会社に「有給なし!」といわれたときの対処方法

会社に、「パートは有給なし!」といわれたときの対処方法として、一番おすすめなのがこちらです。

労働局に電話して、
◯年はたらいているけれど、会社が”パートは有給休暇がない”といって与えてくれません。何とかしてください。それと”匿名”でお願いします
とお願いする

労働局とは、厚生労働省の部局のひとつで、各都道府県に設置された公的機関
労働法をまもらない会社に対して、指導も行います。

1~2ヶ月くらいすると、労働局から会社に対して、何らかのハナシをしてくれます。
それで会社が改めてくれればOK。

ただし”匿名”でお願いすると、労働局(労働基準監督署)も「調査の一環で」とザックリとした話しか会社にできない場合も。

すると、会社が「パート社員にも、適正に有給休暇を与えています」と言い逃れができてしまいます。

そうなった場合は、次の手段として、下記のどれかを選んでください。

  1. 改めて、証拠をもって労働局に訴える
  2. あきらめて、そのままはたらく
  3. あきらめて、パートでも有給休暇がある会社に転職する

ちなみに、ウチの母は、

ウチの母
ウチの母

労働局に訴えて、今の会社をクビにされたら、もう次を見つけるのは大変…

だから、もうこのままでいいよ…

といって、上記2を選びました。

もちろん、人それぞれで事情がちがうので、とるべき方法もかわってきます。
どうすべきかは、あなたが選んでみてください。

◆「会社のトラブルや仕事の悩みはどこに相談すればいい?」という方には、こちらの記事がおすすめです。

まとめ:有給休暇は社員の権利、パートでのルールを理解してできるだけ休みましょう

この記事では、パートの有給休暇取得について、条件や付与日数などの基本ルールから、時間単位での取得や取得義務化まで、わかりやすく解説してきました。

有給休暇は社員の権利です。
ぜひ記事を参考に、パートでのルールを理解して、できるだけ休みながらはたらいていきましょう。

◆「パート社員のルール・情報全般」を知りたい方には、こちらの記事もオススメです。
・記事「パート社員とは?残業代、雇止めなどのルールも解説

◆次の会社を探したいときには、こちらの記事が参考になります。
・記事「失敗しない転職先の探し方・見つけ方!
・記事「派遣社員になりたいとき

〈こちら↓の記事もおすすめです〉
・「会社のことをどこかに相談したい」ときは…会社・仕事の悩みの相談先を紹介
・「次の会社をさがしたい」ときは…失敗しない転職先の探し方・見つけ方!
・「派遣社員ではたらきたい」ときは…「派遣社員になりたい!」ときはどうする?

参考文献

この記事では、下記の書籍を参考にさせて頂いております。

  • 書籍 佐々木亮・著『武器としての労働法』KADOKAWA
  • 書籍 第一東京弁護士会・編『働く女性の労働法』ぎょうせい
  • 書籍 小島彰・著『パート・契約社員・派遣社員の法律問題とトラブル解決法』三修社
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