転職したい会社での面接試験があるけれど、
転職先が前の会社に連絡して、問い合わせたりするのかな?辞めるときにモメたから、なんて言われるかコワイ…。
こんな心配をお持ちの方はいませんか?
とくに会社とモメていなくとも、本人が知らないところで、何を言われるのか不安ですよね。
そこでこの記事では、転職先から前の会社への問い合わせ(前職調査)はあるのか、違法かどうか、同意があるケース、リファレンスチェックについても解説します。
「面接がうまくいっても、前の職場に連絡されると不安…」というときは、ぜひご覧ください。
転職先から前の会社への連絡・問い合わせ(前職調査)はある?違法なの?
まずは、転職先から前の会社への電話などでの連絡・問い合わせ(前職調査)はあるのか、違法なのか確認しましょう。
転職先から前の会社への連絡・問い合わせ(前職調査)はかなり減っている
転職先から前の会社への電話などでの連絡・問い合わせ(「前職調査」ともいいます)は、現在ではかなり減っています。
それは後述するように、本人の同意を得ない前職調査は、個人情報保護法違反となる可能性が高いため。
この意識がひろがったため、「問い合わせをする会社」も「問い合わせの電話を受けて情報提供する会社」も、かなり減ったといわれます。
ですから、「転職先から前の会社への問い合わせ・電話連絡」については、そこまで気にする必要はありません。
その代わりに「本人の同意を得た前職調査」や「リファレンスチェック」が行われるようになっています(くわしくは後述)。
20年ほど前だと、興信所(今でいう「探偵事務所」)による前職調査は、とくに大企業では当たり前のように行われていました。
転職先から前の会社への電話連絡・問い合わせ(前職調査)は違法である可能性が高い
転職先から前の会社への電話連絡・問い合わせ(前職調査)は、違法である可能性が高いといえます。
これは個人情報保護法で「本人の同意のない情報提供をしてはならない」と決められているため。
個人情報保護法 23条(第三者提供の制限)
個人情報取扱事業者は、次に掲げる場合を除くほか、あらかじめ本人の同意を得ないで、個人データを第三者に提供してはならない。
つまり、転職先が前の会社に連絡し、
Aさんは以前、そちらではたらいていましたか?勤務態度はどうでしたか?
ええ、Aさんならウチで1年間はたらいていましたよ。勤務態度はふつうでしたが、辞めるときにモメまして…。
こういった対応をすることは、「個人情報の第三者提供」にあたり、「本人の同意」を得ていない限り禁止なのです。
また、「〇〇会社の✕✕と申しますが…」と電話をしてきても、本当にその会社のその人なのかは、確認のしようがありません。
そのため現在では、多くの会社で、問い合わせがあったとしても「個人情報ですので、お教えできません」と対応することがルールになっています。
転職先が前の会社への連絡・問い合わせ(前職調査)をしたらどうする?
違法性が高いのですが、なかには前の会社への問い合わせ(前職調査)をする会社もあります。
ここでは、転職先が前の会社への問い合わせ(前職調査)をしたらどうするべきか、ご紹介します。
本人の同意を得ずに「前職調査」をする会社への転職はオススメしません
2005年に個人情報保護法が施行されてから16年も経った現状で、本人の同意を得ずに「前職調査」をする会社への転職はオススメしません。
こういった会社は、「法律・コンプライアンスに対する意識がかなり低い」といえます。
個人情報保護についてはズサンだけれど、労働基準法はキッチリ守ります。
なんてことは正直あり得ず、ブラック企業である可能性が高いです。
さらに応募者のことを信頼しておらず、「社員を大切にする」という意識も欠けていると考えられます。
「入社前にわかってよかった!」と考えて、べつの転職先を探しましょう。
応募書類作成から面接、内定までを無料でサポートしてくれる転職エージェントなら、転職での失敗が減ります。
おすすめは”DODAエージェントサービス”です。
もし「会社を辞められない」なら、退職代行サービスという方法も。
おすすめは、弁護士法人運営の”退職110番”で、未払い金請求や慰謝料請求など各種請求・交渉にも完全対応です。
「前職調査」があり「経歴詐称」が判明すれば「解雇」の可能性も
”もし”の話しですが、あなたが「短い期間で退職した会社を履歴書に書かない」などの「経歴詐称」をしていた場合。
転職先からの「前職調査」があり、その「経歴詐称」が判明すれば、入社していたとしても「解雇」される可能性もあります。
これは多くの会社で、就業規則などに「懲戒を行う事由」として規定しています。
それに「前職調査」がなくても、社会保険などの手続きでわかってしまうこともあります。
ですから、
2ヶ月で退職しちゃったことは、履歴書に書くと印象が悪いよね…
と思うなら、「面接で聞かれてもOKな、合理的な理由」を考えるようにして、「経歴詐称」はゼッタイにしないでください。
もしも会社とトラブルになったら、”一般社団法人ボイス”への相談がおすすめ。
メールか電話で、専門家に無料相談できます。
◆次の会社を探したいときには、こちらの記事が参考になります。
・記事「失敗しない転職先の探し方・見つけ方!」
・記事「派遣社員になりたいとき」
転職先から前の会社への問い合わせ(前職調査)は、本人同意があればできる?
次に、転職先から前の会社への連絡・問い合わせ(前職調査)は、本人の同意があればできるのかを確認しましょう。
前職調査は本人の同意があれば問題なし
転職先から前の会社への連絡・問い合わせ(前職調査)は、本人の同意があれば問題なくできます。
前述した個人情報保護法でも、次のとおり許可されています。
個人情報保護法 23条(第三者提供の制限)
個人情報取扱事業者は、次に掲げる場合を除くほか、あらかじめ本人の同意を得ないで、個人データを第三者に提供してはならない。
そのため、金融機関や警備会社など「特に信用が重要な会社」では、同意書によって本人同意を得たうえで、前職調査を行うところが今でもあります。
応募者に「前職調査を拒否する権利」はあるが疑われる可能性も
もちろん応募者には「前職調査を拒否する権利」はあります。
しかし会社側からすると、
探られたら困ることでもあるのかな…?
と疑うことも考えられます。
ですので、どうしてもその会社に入りたいのであれば、素直に同意書を提出し、面接に望むようにしましょう。
リファレンスチェックとは?違法じゃないの?
記事の最後に、外資系企業などで行われる「リファレンスチェック」についてご紹介します。
同意を得て、書類上では確認できない能力を確認するのが「リファレンスチェック」で違法ではない
リファレンスチェック(reference checks)とは、採用の過程で応募者の同意を得て、前職の上司や同僚などに問い合わせを行うこと。
外資系の企業でよく行われます。
あくまでも本人の同意を得て行われるため、違法ではありません。
リファレンス(reference)とは「照会」という意味ですので、「前職照会」とほぼ同義となります。
ただ、リファレンスチェックを行う目的は、「勤務状況や職務遂行能力、コミュニケーション能力の確認」など、書類上では確認できない能力を確認するためというケースが多いようです。
採用試験で、会社から「リファレンスチェックを行ないたいので…」という話があったら、違法な行為ではありませんので、素直にしたがいましょう。
まとめ:転職先から前の会社への問い合わせ(前職調査)は、同意を得たものに変わっています
この記事では、転職先から前の会社への連絡・問い合わせ(前職調査)はあるのか、違法かどうか、同意があるケース、リファレンスチェックについても解説しました。
個人情報保護法ができたことで、転職先から前の会社への問い合わせ(前職調査)は、同意を得たものに変化。
もし入りたかった会社が、同意を得ずに前職調査をするようなら、残念ですがべつの会社を探すことをオススメします
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参考文献
この記事では、下記の書籍を参考にさせて頂いております。
- 書籍 弁護士による退職代行サービス研究会・著『会社のきれいなやめ方』自由国民社