会社・仕事がツラいときは、誰かに相談しましょう!一人で悩まないでください

退職勧奨とは?受け入れるべき?退職願・届の書き方や離職理由、「退職強要」になるケースまで紹介

退職勧奨とは?受け入れるべき?退職願・届の書き方や離職理由、「退職強要」になるケースまで紹介解雇

上司に退職をすすめられたんだけど、拒否することはできるの?

このような行為を「退職勧奨たいしょくかんしょう」とよびますが、一般的にあまり知られた制度ではありません。

そのため、「いきなり上司に退職の話をされるてパニックになり、その場で退職届を書いてしまう」というケースもあるようです。

そこでこの記事では、「退職勧奨」の基本情報から「受け入れるべきか」といった対処方法、退職願・届の書き方、離職理由、「退職強要」になるケースまでご紹介していきます。

「退職を勧められたけど、辞めたくない!」というときは、ぜひご覧ください。

◆「退職のルール全般」を知りたい方には、こちらの記事もオススメです。
・記事「退職ルールまとめ

退職勧奨とは?

退職勧奨とは?

退職勧奨」とは、会社が社員に対して「自主的に退職すること」を勧める行為です。

たとえば、上司に呼び出されて、こういった話しを切り出されます。

上司
上司

君は成績がなかなか上がらないが、うちの会社には合わないんじゃないか?
まだ若いんだから、退職してほかの道を探すという方法もあるよ…

退職を勧めることで、社員からの「合意退職」や「辞職(一方的な退職)」を、会社が期待して行います。

「社員から申し込む退職」の種類
 1.合意退職:会社と社員の両方が合意して、雇用契約を終了させる退職方法
 2.辞職:会社側の意思に関係なく、社員の一方的な意思で雇用契約を終了させる退職方法

そして多くの場合、次の2点が目的で「退職勧奨」を実施するケースがほとんどです。

目的1:会社の経営不振で、人員削減を行なうため
目的2:社員の能力不足や、勤務成績不良のため

「退職金を上乗せする」などの好条件をつけるときもあれば、何もせず、ただ退職を促すこともあるようです。

ただし、あくまでも「退職をうながす」行為のため、社員側に「退職する意思」がなければ、退職勧奨に応じる必要はありません

また会社側から「即答するように」と強要されても、即答する必要もありません。

大切なことですから、家族とも相談させてください…

このように返事をすればOKです。

ここからは、よりくわしく退職勧奨について解説していきます。

「退職勧奨」と「解雇」の違い:社員側が拒否できるか・できないか

「退職を勧められる」というと、

それって「解雇」なんじゃないの?

と思うかもしれません。
たしかに「会社側が働きかけての退職」という点では同じですが、退職勧奨と解雇は、実はいくつも大きな違いがあります。

そして退職勧奨と解雇違いで特に大きな点は「社員側が拒否できるか・できないか」で、以下のようになります。

退職勧奨と解雇の大きな違い①
  • 退職勧奨
    社員側に退職の意思がなければ、拒否できる
  • 解雇
    社員側の意思に関係ないため、拒否できない

そしてもうひとつの大きな違いが、「会社側の実施しやすさ」で、次のように違います。

退職勧奨と解雇の大きな違い②
  • 退職勧奨
    会社側はすぐに、いつでも実施できる
  • 解雇
    法律などの要件を満たす必要があり、会社側はカンタンには実施できない

解雇はとても強力な効果を持ちますが、強力であるために「カンタンには行えない」という特徴が。

たとえば労働契約法第16条で「正当な理由もなく解雇はできない」と規定され、実施するための要件も存在するなど、制限があるのです。

解雇は会社にとって、最終の手段。
そのために会社はまず、リスクの少ない退職勧奨を行うんです。

しゅう
しゅう

「退職勧奨」されても、退職したくないのであれば、しっかり拒否しましょう

退職勧奨は受け入れたほうがいい?好条件の提示を

それでは「退職勧奨」があった場合、受け入れたほうがいいんでしょうか?

しゅう
しゅう

僕個人としては、受け入れて、退職することをおすすめします。

ただし「退職金の割増」や「半年後の退職」など、こちらにとっての好条件を提示しましょう

まず、受け入れるべき理由は2つあります。

1つめは、会社が業績不振である可能性があるため。
退職勧奨は、「整理解雇」の前段階として行うケースもあります。

2つめは、こう言ってしまうと何ですが、会社があなたを必要としていないためです。

ただここで「はあ…、自分は不必要な存在か…」と落ち込まないでください。

それはただ、その会社にあなたが合っていないか、もしくはあなたも僕のように、サラリーマンが合っていないからです。

しゅう
しゅう

僕なんか、会社を何社も転職して、あげくの果てにフリーランスのWebライターになりました…
それでも今が一番、幸せですよ!

探せば必ず、あなたに合った仕事がありますので、次に進むのみです。

そして辞めるときには、「この条件なら、お受けします」として、次のような好条件を提示してやりましょう。

  • 有給休暇をすべて消化、もしくは買い取りする
  • 退職金を割増する
  • (再就職先を探せるように)退職時期を半年後とする
  • (当然ですが)離職理由を「会社都合の合意退職」にする

もし会社が、この条件をのまないのであれば、「では辞めません」と拒否すればいいだけです。

どうせ辞めるのなら交渉して、もらえるものはできるだけもらっておきましょう。

退職勧奨で退職するときの「退職届」と「退職願」の書き方

退職勧奨に応じて退職するとき、会社から「退職届」や「退職願」を出すように言われた場合の書き方は、下図を参考にしてください。

「退職届」と「退職願」の書き方
「退職届」と「退職願」の書き方

ちなみに、「退職届」と「退職願」の違いは次のとおり。

  • 退職届:社員が「確実な退職の意思」を会社に伝える書面
    (役割①「合意退職」の最終確認を行うための書面、役割②「辞職」を行うための書面)
  • 退職願:社員が「退職したいので、合意して頂けますか?」と会社におうかがいをたてる書面
    (役割:「合意退職」を行うための書面)

あなたが退職に応じる場合は、会社が「提出して」という書面を出しましょう。

書くときのポイントはこちら。

退職勧奨の退職届・退職願を書くときのポイント
・「退職勧奨に応じる」ことを書く(「一身上の都合」にはしない)
・コピーをとり保存する

万が一、会社が「退職勧奨とは書かずに、一身上の都合にしてくれ」といってきたら、会社は「自己都合退職」にしたいのかもしれません。
(後述するとおり、本来は「会社都合退職」です)

このようなときは、その場では作成せず、「それでは、家で書いてきます」とごまかし、労基署に相談しましょう。

◆「退職届と退職願の違いを、よりくわしく知りたい」という方には、こちらの記事がおすすめです。

ちなみに退職願は市販の封筒などで大丈夫ですが、こちらのセットなら「退職願用便せん」や「郵送時添え状」まですべて揃っているので、おすすめです。

退職勧奨は合法でも「退職強要」になれば違法(パワハラにも)

会社が退職を勧めるなんて、違法なんじゃないの?

と思う方も多いかと思いますが、退職勧奨は会社に許された行為
解雇ほど「強力な効果がない」こともあって、法律上で禁止されていないのです。

そのため、「退職勧奨についての規定」が就業規則などになくても、会社はいつでも自由に行うことができます

「退職勧奨」と「退職強要」

ただし退職勧奨の手段・方法は、「社会通念上相当」と認められる範囲に限られます。
その範囲を超えると「退職強要」とよばれ、違法・不法行為です。

「退職強要」を受けた場合には、慰謝料が請求できますので、あまりにもひどい場合には、専門機関に相談しましょう。

しゅう
しゅう

ひどい仕打ちをうけたときは、すぐに相談できるように、スマホやICレコーダーで録音したり、メールや書類をコピーしておきましょう

「退職強要」になるかどうかは、次のことで判断されます。

「退職強要」になるかどうかの判断基準

  • 会社側の言葉づかい
  • 退職を迫られた回数
  • 退職を迫られた時間

たとえば、次のような場合は「社会通念上相当ではない」として、「退職強要」と判断されることも。

  • 1日に何度も時間をとって、退職を勧めてくる
  • 会議室に3時間も閉じ込められて、トイレにも行かせてもらえず退職を勧められる
  • 何度断っても、毎日くりかえし退職を勧めてくる
  • 退職勧奨を断ったら、自分の机とイスがなくなっていた

さらに、以下のような行為は「パワハラ」でもあります。

  • どなりつけて、モノを投げつける
  • ほかの社員の前で、大声で威圧的な叱責をくりかえす
  • 1人の社員に対して、同僚が集団で無視をし、職場で孤立させる

「パワハラ」も違法な行為ですので、上司からこのような仕打ちを受けたときはガマンせず、労基署などに相談することをおすすめします。

◆「上司のパワハラ問題」については、こちらの記事でくわしくご紹介しています。

退職勧奨でもこんな「言い方」だと「退職強要」で違法

たとえば、退職勧奨を受け入れない社員を、長時間会議室に閉じ込めて、

上司
上司

いいかげん辞めてしまえ!もう会社に、お前の居場所はないぞ!お前がいることで、会社の全員が迷惑している!

このような暴言をはくようなら、これはもう「退職強要」です。

ほかにもこんな退職勧奨は違法

ここまでご紹介したほかにも、次のような退職勧奨は、男女雇用機会均等法などに抵触するため違法、または不法行為となります。

  • 社員の結婚や妊娠を理由に退職勧奨をする
  • 退職の基準に男女間で年齢格差をつける
  • 退職勧奨を拒否した社員に対し、いやがらせ目的で配置転換を命じる
  • 退職勧奨を拒否し続け、その後に退職した社員に対して、当初提示した「退職金の割増」などの優遇措置を与えない

◆「会社のトラブルや仕事の悩みはどこに相談すればいい?」という方には、こちらの記事がおすすめです。

退職勧奨で退職すると、離職票の離職理由は「会社都合(特定受給資格者)」

退職勧奨で退職すると、離職票の離職理由は「会社都合(特定受給資格者)」

退職理由には、大きくわけて「会社都合退職」と「自己都合退職」があり、下表を見ると「会社都合」のほうがメリットが多いことがわかります。

失業手当
給付制限期間
失業手当
給付日数
国民健康保険料の
軽減措置
1.自己都合退職7日+3ヶ月90日~150日なし
2.会社都合退職7日90日~330日あり

そして退職勧奨による退職の場合は、次の項目に該当するため、「会社都合退職」である「特定受給資格者」となります。

特定受給資格者の範囲
2.「解雇」等により離職した者
(11) 事業主から直接若しくは間接に退職するよう勧奨を受けたことにより離職した者(従来から恒常的に設けられている「早期退職優遇制度」等に応募して離職した場合は、これに該当しない。)
ハローワークインターネットサービスより)

退職勧奨を受け入れて退職すると「自己都合退職」と思われることが多いようですが、違いますので注意しましょう。

ちなみに「離職理由」は、退職後に会社からもらう「離職票-2」で確認できます。

退職勧奨で退職したときの失業保険(失業給付金・基本手当)をもらえるタイミング

退職勧奨で退職したときは「特定受給資格者」となりますので、失業保険(失業給付金・基本手当)をもらえるタイミングは、待機期間の7日の後となります。
(ただし実際にお金が振り込まれるのは、ハローワークでの求職申し込みの約1ヶ月後)

「自己都合退職」のように、待機期間(7日)のあとに2~3ヶ月待たされる「給付制限」がないのがウレシイですね。

「特定受給資格者」には、ほかにも国民健康保険の減免措置などのメリットもあり、くわしくはこちらの記事でご紹介しています。

退職勧奨なのに、会社が離職理由を「自己都合」にしたときは?

退職勧奨を受け入れて退職したのに、離職理由が「自己都合退職」になってた!

これは厚生労働省が資料の中で紹介(46ページの最上部)しているように、よくある話のようです。

なぜ会社がこんな姑息なマネをするかというと、「1人以上の社員を、会社都合で解雇・退職勧奨した場合は、雇入れ関係助成金が支給されない」ため(厚生労働省リーフレット)。

前項でご紹介したように、本来「会社都合退職(特定受給資格者)」となるはずが、会社に「自己都合退職」にされてしまうのは、不法行為です。

「退職勧奨で退職する」旨が記載された「退職届・退職願」や、次項で紹介する書面を持参してハローワークに行き、「離職理由が違う」ことを訴えましょう。

会社側が退職勧奨で使用する書面

あなたが退職勧奨に応じると、会社側が「退職(勧奨)合意書」といった書面を作成し、締結を求めることがあります。

これはあなたが「退職勧奨に応じる」という証拠で、後々、会社が「あのときの退職は不当解雇だ!だから損害賠償請求する!」といわれることを防ぐための書面。

退職条件や期日など、決めてもいない項目が書かれていないかを確認して、必ず自分用のコピーをとってください。

この書面は、会社が「自己都合退職」としてきたときに、ハローワークで反論する材料になります。

まとめ:退職勧奨の性質を知り、退職がイヤなら拒否を

この記事では、「退職勧奨」の基本情報から「受け入れるべきか」といった対処方法、退職願・届の書き方、離職理由、「退職強要」になるケースまでご紹介してきました。

退職したくないなら、しっかり拒否してください。

退職勧奨はそういう制度です。
そのうえで、今後どうするかを、あなたなりに考えていきましょう。

◆「退職のルール全般」を知りたい方には、こちらの記事もオススメです。
・記事「退職ルールまとめ

〈こちら↓の記事もおすすめです〉
・「会社のことをどこかに相談したい」ときは…会社・仕事の悩みの相談先を紹介
・「次の会社をさがしたい」ときは…失敗しない転職先の探し方・見つけ方!
・「派遣社員ではたらきたい」ときは…「派遣社員になりたい!」ときはどうする?

参考文献

この記事では、下記の書籍を参考にさせて頂いております。

  • 書籍 三好眞一・著『失敗のない解雇&退職マニュアル』経営書院
  • 書籍 徳住堅治・著『シリーズ働く人を守る 解雇・退職』中央経済社
タイトルとURLをコピーしました