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採用の内定を取り消された…どうすればいい?違法じゃないの?その定義や実態まで解説

採用の内定を取り消された…どうすればいい?違法じゃないの?その定義や実態まで解説就活

就活や転職をすすめるなかで、

行きたかった会社からやっと内定をもらったのに「内定取り消しの連絡」が来ちゃって…、どうすればいいの?

このように困っている方はいませんか?
一方的に通知されても、どう対応すべきなのかわかりませんよね。

そこでこの記事では、採用の内定を取り消されたときはどうすればいいのか、違法じゃないのか、「内定・内定取り消し」の定義や実態まで解説していきます。

なお、この記事ではおもに新卒の採用内定について解説していますが、中途採用の場合でも原則的なルールは変わりません
パートや契約社員の方でも、内定取り消しになったときには、ぜひ参考にご覧ください。

◆「会社のことをどこかに相談したい」ときの相談先は、こちらの記事でご紹介しています。
・記事「会社・仕事の悩みの相談先を紹介
・記事「新卒応援ハローワークとは?利用するメリット、手順まで紹介

◆「就活でオワハラにあったときの対応手順」を知りたいときは、こちらの記事でご紹介しています。
・記事「オワハラ(就活終われハラスメント)とは?

採用の内定を取り消された…どうすればいい?

採用の内定を取り消された…どうすればいい?

採用の内定を取り消されたとき、まずは企業に「採用内定取り消しの理由」を確認しましょう。
これは、採用内定が労働契約として成立しているとき(くわしくは後述)、内定の取り消しには「解雇としての合理的な理由」が必要なためです。

理由を確認したら、次にそれぞれの機関に相談します。

  • 学生:学校のキャリアセンター、ハローワーク
  • 学生以外:ハローワーク、労働局

とくに、新型コロナの影響で内定取り消しになった人には、ハローワークが「特別相談窓口」を用意していますのでご利用ください。

友人や家族に相談してもあまり意味はないので、公的機関に報告して、情報を共有してください。
そのうえで次の2パターンがあるので、どちらにしたいか考えてみましょう。

パターン1:どうしてもその会社に入りたいとき

後述するとおり、採用内定が労働契約として成立しているとき、内定の取り消しには「解雇としての合理的な理由」が必要で、その理由が認められないときは「取り消しが無効」となります。

ですので、どうしてもその会社に入りたいときには、労働局の「個別労働紛争解決制度」を利用して、「無効」を申請する方法をオススメします。
これは「労働相談、助言・指導、あっせん」の3つの制度で、労働についての紛争を解決してれる労働局の支援策

利用するときは、各都道府県の総合労働相談コーナーにご相談ください。

パターン2:損害賠償を請求したいとき

「採用内定の取り消し」を受け入れるなら、企業へ損害賠償を請求しましょう。

内定取り消しについては、債務不履行(信義則違反)または不法行為(期待権侵害)に基づいた損害賠償請求が認められており大日本印刷事件では慰謝料100万円の支払いが命じられています(資料)。

ただ、個人で損害賠償請求するのは大変。
そこで、サイト「相談サポート」で労働問題に適した近隣エリアの弁護士を探してみてください。

採用の内定取り消しは違法じゃないの?

採用の内定取り消しは違法じゃないの?

次に、採用の内定取り消しは違法なのか、そして採用内定・取り消しの定義を確認しましょう。

採用の内定取り消しは違法じゃないの?

採用内定」は、法的に決まっているものではありません
そのため「採用内定の取り消し」も、「これをやれば即違法!」という決まりはありません

ただし、これまでの裁判例の積み重ね(判例)によって、大まかなルールは取り決められています。
そのルールについてくわしくは、次項でご紹介します。

そして判例ですので、明確に「これはNG」とまでは言い切れません。
「採用内定の取り消し」にもさまざまなケースがあるため、そのケースに照らし合わせて確認する必要があります。

自分で「これは違法だろう」と判断せず、必ず上記の機関に相談したうえで対処してください。

採用内定とは?採用内定の取り消しとは?

採用内定とは、法律的な定義はありませんが、会社から内定通知が出ている状態をさします。

そして内定のなかでも、「他に労働契約を締結するための特段の意思表示が予定されていない場合」は、「始期付解約権留保付労働契約(学校を卒業したらはたらき始めます、という労働契約)」が成立しているとされます。

「始期付解約権留保付労働契約」とは、次の特徴をもつ労働契約のこと
始期:”4月1日”など「未来の雇用開始日」のこと
解約権留保:企業と求職者のどちらも「解約権(契約を終了させられる権利)」をもつこと

具体的に、労働契約が成立する・成立しないケースは以下のとおり(厚生労働省の資料より)。

<事例1.労働契約が成立しているとされたケース>
希望する会社から採用内定通知を受けた学生が、
 ①ほかの会社の求人に対する応募を辞退した
 ②会社からの求めに応じて入社誓約書を提出した
 ③近況報告を行った
 ④会社側では採用内定通知のほかに、労働契約締結のための特段の意思表示をすることが予定されていなかった
このことから、「採用内定通知により両者の間に労働契約が成立した」と判断された

<事例2.労働契約が成立していないとされたケース>
会社から採用内定通知を受けたが、
 ①会社側は手続きは行わず、
 ②学生側も入社の誓約をせず、
 ③受け取った採用内定が正式なものではなく、企業から入社を翻意される可能性があることを認識していた
このことから、会社側は学生に対して確定的な採用の意思表示をしたとはいえず「採用内定通知によって労働契約は成立していない」と判断された

そして「始期付解約権留保付労働契約」が成立すれば(事例1のケース)、採用内定の取り消しは会社による「労働契約の解除」、つまり「解雇」にあたります。

そのため「解雇」と同様で、「合理的な理由」がなければ「内定取消」も無効です(労契法16条)。

労働契約法16条(解雇)
解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。

一方で「始期付解約権留保付労働契約」が成立していなければ(事例2のケース)、採用内定の取り消しは「一方的な通知」に。
ただ「労働契約の解除」とはならないものの、採用内定の「予約」となるため、取り消しが信義に反して相手方の期待権を侵害したとして、損害賠償責任が認められるケースもあり得ます。

採用の内定取り消しが認められるケース

採用の内定取り消しが認められるケース

採用の内定取り消しが認められるケースは、原則的には次の2点を満たす場合のみとされます。

  • 採用内定の取り消し事由が、採用内定当時知ることができず、また知ることが期待できないような事実である
  • この事実を理由として採用内定を取り消すことが、解約権留保の趣旨、目的に照らして客観的に合理的と認められ社会通念上相当として是認することができる

そして具体的な取り消し事由は、以下のとおり。

  1. 契約の前提となる条件や資格の要件を満たさないとき
  2. 健康状態が悪化したとき
  3. 重要な経歴詐称があったとき
  4. 重要な必要書類を提出しないとき

また、「会社の業績悪化による採用内定の取り消し」も考えられますが、このときは「整理解雇」の4つの要件を満たしていることが必要。

「整理解雇」を行うための4つの要件
  • 要件1.人員削減の必要性:人員整理が必要なほど、会社が財務的にきびしいこと
  • 要件2.解雇回避努力義務:解雇を回避するために「希望退職、経費削減、新規採用中止」などの努力を行っていること
  • 要件3.人選の合理性:その人を解雇すると決めた、公正な基準があること
  • 要件4.労働者への説明:社員に対して、きちんと整理解雇の協議をしていること

この要件を満たしたうえで、「取り消しが有効か」が判断されます。

新卒採用の内定取り消しの実態(厚生労働省のデータから)

新卒採用の内定取り消しの実態(厚生労働省のデータから)

記事の最後に、厚生労働省のデータから「新卒採用の内定取り消しの実態」をご紹介します。

2019年度卒の新卒内定取り消しは211人、うち140人は新型コロナの影響

2019年度卒業(2020年3月卒業)の新卒内定取り消しは211人で、うち140人は新型コロナの影響とされています。
また、内定取り消しを行った事業所は82社で、うち52社は新型コロナの影響とされています。

産業別にみると、上位ランキングは次のとおりで、〈〉内の数字は新型コロナの影響による人数です。

  • 1位:卸売、小売業(65人〈30人〉)
  • 2位:生活関連サービス、娯楽業(42人〈40人〉)
  • 3位:宿泊、飲食サービス業(24人〈22人〉)
  • 4位:学術研究、専門、技術サービス業(19人〈18人〉)
  • 5位:製造業(13人〈2人〉)

そして取り消し理由は、以下のようなものでした。

  • 1位:経営の悪化(162人〈138人〉)
  • 2位:別会社移行(24人〈0人〉)
  • 3位:企業倒産(8人〈1人〉)

まとめ:採用の内定を取り消されたら適切な対応を

この記事では、採用の内定を取り消されたときはどうすればいいのか、違法じゃないのか、「内定・内定取り消し」の定義や実態まで解説していきました。

採用の内定を取り消されたら、記事を参考に適切な対応を行い、決して損をすることがないようにしましょう。

◆「会社のことをどこかに相談したい」ときの相談先は、こちらの記事でご紹介しています。
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参考文献

この記事では、下記の書籍を参考にさせて頂いております。

  • 書籍 林智之・著『職場の法律トラブルと法的解決法158』三修社

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