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会社が労災を認めないときはどうする?対処法や労災保険の基本知識を解説します

会社が労災を認めないときはどうする?対処法や労災保険の基本知識を解説します 労働法

仕事中や通勤中にケガをしたのに、

会社が労災を認めてくれない
こんなときはどうすればいいの?

このようなことで困っている方はいませんか?
これでは、安心して病院に通うこともできませんよね。

そこでこの記事では、会社が労災を認めないときはどうすればいいのか、その対処法から労災保険の基本知識まで解説します。

「労災保険の正しいルールを知りたい」というときは、ぜひご覧ください。

◆「労災保険とその内容」をくわしく知りたい方には、こちらの記事もオススメです。
・記事「労災保険とは?わかりやすく解説もわかりやすく解説

※この記事には広告が含まれる場合があります

会社が労災を認めないときはどうする?

会社が労災を認めないときはどうする?

「仕事上でケガをしたのに、会社が労災を認めてくれない…」
こんなときはどうすればいいのでしょう?

まずは、会社が労災を認めないときの対処法をご紹介します。

直接、労働基準監督署に労災申請しましょう

会社が労災を認めないときは、あなたが直接、労働基準監督署に労災申請しましょう
というと、

えっ!自分でできるの?

会社が申請しなきゃダメなんじゃないの?

と思うかもしれませんが、大丈夫です。

じつは労災保険の申請は、もともと本人が行うものとされています。
下画像は厚生労働省の資料ですが、〈請求方法〉に「ご本人が、直接…」と記載されています。

厚生労働省の資料
労災保険 請求(申請)のできる保険給付等 出典:厚生労働省

ですが、「事業主証明」を行う必要もあるため、多くの場合、会社が申請を代行してくれているのです。

さらに、「労災かどうか」を判断するのは、会社ではなく労働基準監督署です。
たとえ会社が「労災じゃない」といっても、労働基準監督署が認めれば労災になります。

また、会社が「事業主証明」を拒否した場合でも申請は可能です。

まずは、記事「会社・仕事の悩みの相談先を紹介」でご紹介する”労働局”に、申請方法などの相談をしてみてください。

労災とは?労災保険とは?

労災とは?労災保険とは?

次に、労災や労災保険について、分かりやすくご紹介します

労災とは?労災保険とは?

まず労災とは、「労働災害」のことで、大きく分けると次の2つとなります。

労働災害(労災)
  1. 業務災害社員の業務上のケガや病気、障害、死亡
  2. 通勤災害社員の通勤によるケガや病気、障害、死亡

労働災害というと「仕事中の災害だけ」と考えがちですが、通勤中も労災の対象になることは覚えておきましょう。
また2つの災害は、それぞれに認定基準が存在します。
(くわしくはこちらの記事をご覧ください:業務災害通勤災害2つの違い

次に労災保険とは、正式には「労働者災害補償保険」といい、社員が労働災害によってケガや病気、死亡した場合に、治療費などの保険給付を行う制度です。
労災保険法に基づいた仕組みであり、次のような給付制度があります。

会社が「労災保険に加入していない」といってきたら?

それでは、もし会社が、

ブラック社長
ブラック社長

ウチの会社は労災保険に加入していないから、労災保険は使えないよ…

といってきたら、社員は業務上でケガをしても、労災保険は使えないのでしょうか?

結論としては、「会社が労災保険に加入していなくても、社員には労災保険が適用される」です。

なぜなら、労災保険は「社員を一人でも雇ったら加入しなければいけない」という強制保険であり、加入していないのは会社の落ち度で、社員には何の責任もないため。

ただし労災保険未加入の期間に、社員が労災保険給付を行うと、労働基準監督署が会社にこれまでの保険料をさかのぼって徴収し、給付の一部を会社に負担させます。

そのため会社は全力であなたの労災保険申請を止めると思われますので、やはりまずは記事「会社・仕事の悩みの相談先を紹介」でご紹介する”労働局”にご相談ください。

会社から「パートは労災保険の対象外」といわれたら?

今度は会社から、

ブラック社長
ブラック社長

パートやアルバイト、派遣社員、契約社員は労災保険の対象外だから、申請できないよ…

といわれたらどうでしょう?
労災保険は正社員しか使えないのでしょうか?

こちらの回答は「パートやアルバイト、派遣社員、契約社員など、すべての労働者が労災保険の対象になる」です。

ちなみに「労働者」の定義はこちら。

労働者とは、職業の種類にかかわらず事業に使用されるもので、労働の対価としての賃金が支払われる者のこと

つまり会社ではたらき、給料をもらっている者は労働者であり、労災保険の対象ということです。
パートやアルバイトの方でも、安心して労災申請を行ってください。

なお雇用保険や健康保険では、また対象者の要件が異なりますので、それぞれでご確認ください。

なぜ会社は労災を嫌がるの?

なぜ会社は労災を嫌がるの?

記事の最後に、なぜ会社が労災を嫌がるのか、申請することのデメリットをみていきましょう。

なぜ嫌がる?会社が労災申請することのデメリット

なぜ労災を会社が嫌がるのか?
会社が労災申請することのデメリットとしては、次のことがあげられます。

会社が労災申請することのデメリット
  1. 労働災害発生による職務評価への悪影響
  2. 元請や取引先に迷惑をかける
  3. 労働災害発生により、元請や取引先からの受注停止が起こる
  4. 労働災害に関し、行政、元請およびび上司等からの指導をうける
  5. 不法就労や偽装請負・違法派遣が発覚してしまう 
    (神奈川労働局「労災かくし」のウェブサイトをもとに作成)

このために、次項でご紹介する「労災かくし」を行う会社があります。

ですが会社が労災申請を行わないことで、最大の被害をうけるのは社員です。
健康保険にくらべ、補償が充実している労災保険の給付をうけられないと、とくに後遺症が残ったときなど生活を送ることが困難に。

たとえ会社から「労働災害だけど、今回は健康保険を使って」といわれたとしても受け入れず、しっかり労災申請を行ないましょう。

◆「労災で健康保険を使ってしまったときの対処法」は、こちらの記事でご紹介しています。

会社が労災申請しないのは「労災かくし」で違法行為です

会社が労災申請しないのは「労災かくし」で、違法・犯罪行為です。
「労災かくし」とは、正確には次のような行為をいいます。

「労災かくし」とは、労働災害が発生した事実を隠すために、
(1)故意に「労働者死傷病報告」を所轄労働基準監督署長に提出しないもの
(2)虚偽の内容を記載した「労働者死傷病報告」を所轄労働基準監督署長に提出するもの

「労働者死傷病報告」とは、社員が業務上の災害で死亡または休業したときに、労働基準監督署長に提出しなくてはいけない書類。

そして「労災かくし」は、労働安全衛生法100条違反となるのですが、罰せられるのは会社だけではありません
報告をしない、または虚偽の報告をした社員」も罰せられます。

労災保険の給付をうけられないうえに、会社の「労災かくし」に加担したとして罰せられてはたまりません。
会社に「労災だけど健康保険を使うように」と指示されたら、記事「会社・仕事の悩みの相談先を紹介」でご紹介する”労働局”などの公的機関にご相談ください。

まとめ:会社が労災を認めないなら自分で申請を!ルールを理解しましょう

この記事では、会社が労災を認めないときはどうすればいいのか、その対処法から労災保険の基本知識まで解説しました。

記事でご紹介したとおり、会社が労災を認めないなら自分で申請をすればOKです!
正しい労災保険のルールを理解し、損をせず給付をうけられるようになりましょう。

◆「労災保険とその内容」をくわしく知りたい方には、こちらの記事もオススメです。
・記事「労災保険とは?わかりやすく解説もわかりやすく解説

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参考文献

この記事では、下記の書籍を参考にさせて頂いております。

  • 書籍 近藤恵子・著『知らないと損する労災保険』東洋経済新報社
「転職で失敗したくない!」という人は →
転職成功に必須のサービス紹介
「転職で失敗したくない!」という人は →
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