会社や仕事のことで悩んでいるけれど、
先輩にイジワルされてツライけど、こんなことで悩むのは、私だけかな…
上司のパワハラに会社が対処してくれないときは、どこに相談すればいいの?
このような理由で「誰にも相談できない…」ということはありませんか?
悩むことはツラいですが、「誰かに相談する」のもなかなか難しいですよね。
そこでこの記事では、仕事の悩みが相談できない人向けに、会社とのトラブル・仕事の悩みを相談するメリット、相談件数、3つの相談窓口、おすすめ相談先までご紹介します。
「会社と仕事がツライので、誰かに相談したい…」というときは、ぜひご覧ください。
◆悩んだら「その会社・仕事から離れる」ことも解決方法のひとつ。転職先を探すときは、こちらの記事を参考にどうぞ。
・記事「失敗しない転職先の探し方・見つけ方!」
・記事「派遣社員になりたいとき」
仕事の悩みが相談できない人に知ってほしい「相談するメリット」
まずは、仕事の悩みが相談できない人に知ってほしい「相談することのメリット」のご紹介です。
「会社とのトラブル・仕事の悩み」を誰かに相談する5つのメリット
仕事の悩みが相談できない人のなかには、
相談しても、どうせ解決しないんじゃない…?
と思っている人がいるかもしれません。
そこでご紹介したいのが、本『ストレスフリー超大全』(樺沢紫苑・著)に記載されている「相談のメリット」です。
相談のメリット
『ストレスフリー超大全』(樺沢紫苑・著)より
1 ガス抜き効果 ストレスが発散される。気分がすっきりする。
2 不安の減少 扁桃体の興奮が抑制される。言語情報は、扁桃体の興奮を抑制する。
3 悩みの整理 筋道立てて話すことで、話が整理される。
4 言語化 現状、原因、診断などあいまいな点がはっきりする
5 解決法の発見 話が整理されることで自分で対処法に気づく。
6 プロのアドバイス 専門家によって解決法がもらえる
多くの人は「相談する = 専門家のアドバイスで、問題解決の手助けにする」と考えます。
しかし上記「相談のメリット」をみると、それはメリットのごく一部。
どちらかといえば、相談することは、「不安やストレスを取り除くこと」がおもな目的といえます。
ですから、たとえ悩みが解決しなかったとしてもいいのです。
もちろん解決すれば万々歳ですが、相談すること自体に「ガス抜き」の効果があります。
上司に相談できなければ、友人でも、後述する公的機関でもOK。
とにかく、悩んだときは「誰かに相談する」ことを一番に考えましょう。
◆職場に観葉植物をおくと「ストレスを低下させる」という効果も。よければ記事を参考に、試してみてください。
・記事「オフィスに観葉植物をおくメリットとは?」
悩むのは私だけ?増加している会社とのトラブル・仕事の悩みの現状
先輩社員の嫌がらせなんかで悩むのは、私だけかな…?
このように考えてガマンしていませんか?
ここでは、増加している会社とのトラブル・仕事の悩みの現状をご紹介します。
2019年の労働相談件数は年間119万件!
厚生労働省が行った調査によると、2019年(令和元年)の総合労働相談件数は118万8,340件で、12年連続で100万件を超えています。
なお「総合労働相談件数」とは、都道府県の労働局や労働基準監督署に寄せられた相談件数のこと。
就業者数は約6649万人ですので(2021年3月時点)、そのうち1.7%の方が公共機関に相談したことになります。
つまり社員50人規模の会社であれば、そのうち1人は労働局などに相談していることになります。
ただし、 前述の本『ストレスフリー超大全』によれば、64%の人が「仕事に関して悩みを持っている」と答え、そのうち53%の人が「悩みを相談できない(しない)」と答えたそう。
ですので相談件数が119万件とすると、その倍以上は「仕事で悩んでいるけれど相談できない」と不安な状態にいると考えられます。
悩んだまま働き続けるのはツラいですよね。ぜひ誰かに相談してみましょう。
相談内容は8年連続で「いじめ・嫌がらせ」がトップ
さらに総合労働相談の内容は、下グラフのとおり8年連続で「いじめ・嫌がらせ」がトップです。
しかも「いじめ・嫌がらせ」の相談件数は、2位の「自己都合退職」の倍以上。
どれだけ 「いじめ・嫌がらせ」 が多いのかがよくわかりますね。
そして資料で「助言・指導及びあっせんの事例」として紹介されているのがこちらです。
事例2:いじめ・嫌がらせに係る助言・指導
厚生労働省 「令和元年度個別労働紛争解決制度の施行状況」を公表しますより
事案の概要 申出人は正社員として勤務していたが、上司が同僚等に対し、「バカ」・「アホ」などの侮辱的な発言を日常的に行っているため、責任者である所長に相談の上、対応を求めたところ、調査や指導が適切に行われず、改善していない状況だった。
申出人は、今後とも働き続けたいと考えていたため、職場環境の改善を求めたいとして、助言・指導を申し出たもの。
助言・指導の内容・結果
○ いじめ・嫌がらせに係る事案を放置した場合に労働契約法に基づく労働者の安全配慮義務に違反するおそれがあることから、早急に実態を把握の上、必要に応じ対策を講じる必要がある旨を助言した。
○ 助言に基づき、全労働者に対する面接等の詳細な実態調査を実施した結果、申出人が申し出た事実を確認したことから、会社として当該上司の言動がいじめ・嫌がらせに該当すると判断し、同人に対する指導等を行うとともに、会社として再発防止を図るため、全労働者に対する研修を実施した結果、職場環境が改善された。
こういった形で解決することもあります。
まずは身近な人にでもいいので、相談することからはじめましょう。
会社・仕事の悩みはどこに相談するといい?相談先の紹介
次に「仕事の悩みを、どこに相談したらいいのかわからない…」という方に、相談窓口をご紹介します。
相談窓口は大きくわけて3つ
会社のトラブル・仕事の悩みの相談先は、大きくわけると次の3つになります。
- 労働基準監督署などの公共機関
- 労働組合やNPO法人など民間機関
- 弁護士や社労士などの専門家
それぞれの特徴や役割などについて、次項からくわしくご紹介します。
[相談先 ①]労働基準監督署などの公共機関
まずひとつめの相談先は「公共機関」で、下表のような相談先があり、相談内容もわかれています。
機関名 | 相談できる内容 | 所在地案内などのURL |
---|---|---|
ハローワーク | ・失業保険について ・求人の内容 | ・全国ハローワークの所在案内 |
総合労働相談コーナー | ・職場のトラブル全般 | ・総合労働相談コーナーのご案内 |
労働基準監督署 (労基署) | ・労働基準法違反 ・残業代の不払い ・労働災害(労災) | ・全国労働基準監督署の所在案内 (リーフレット) |
雇用環境・均等部(室) | ・男女差別 ・パートタイム労働法 | ・雇用環境・均等部(室)所在地一覧 |
もちろん、相談はすべて無料です。
原則、予約も不要ですが、先に電話をして「〇〇について相談したいのですが、何時頃、何を持参して伺うとよろしいですか?」など確認すると、話がスムーズに進みます。
どの機関に相談すればいいのかわからないときは、とりあえず「総合労働相談コーナー」に申し出るか、後述する「一般社団法人ボイス」に確認することをおすすめします。
公共機関に相談するうえで知っておきたいこと
上記の機関は、お役所ですので、相談できるのは平日の日中(8時半~17時15分)のみ。
土・日・祝日・年末年始はお休みです。
さらに応対した担当者によっては、あまり受けつけたくないのか、適切な対応をしてくれないことも。
僕が以前、労基署に電話で相談した職員も、昼休み中だったためかエラく横柄な態度でした…。
まあ、社長を労基署に呼び出したんで、ちゃんとやることはやってくれたんですが(でも「世間知らずの若造に、訳わかんね~こと言われた」といって改善はされませんでした)
「何とかしてくれないですかね~」ではなく、「労働基準法違反と思われますので、労働基準監督官に申告に来ました」と目的をハッキリと伝えてください。
ただし、会社が労基法などに違反していた場合、監督官による指導などは行われますが、あくまで「ちゃんとやりなさいよ」という指導・勧告まで。
たとえば「未払いの残業代を支払わせる」といった強制力もありません。
このような場合、公共機関は裁判を起こしてくれないので、後述する弁護士などの専門家に依頼することになります。
国が運営する機関といっても、「依頼すれば、すべてを100%解決してくれるわけではない」ことを知っておきましょう。
[相談先 ②]労働組合やNPO法人など民間機関
2つめの相談先が、労働組合やNPO法人など民間機関です。
労働組合とは、賃金や職場環境などの改善を会社にもとめる際、スムーズな交渉ができるよう、労働者が団体を組織するもの。
その代表者が、会社との交渉を行います。
会社に労働組合があれば、加入しておきましょう。
トラブルがあった場合に組合に訴えると、団体交渉権を行使して、会社に解決するよう交渉してくれます。
会社に組合がなければ、ユニオンや合同労組といった「一人でも入れる労働組合」に加入することをおすすめします。
[相談先 ③]弁護士などの専門家
3つめの相談先が、弁護士や社会保険労務士(社労士)といった専門家です。
公共機関のように「相談はできるけど、実務はこちらが対応しなきゃいけない」ということもなく、すべてお願いできるため、安心して任せられます。
専門家を探すときのおすすめサイト:相談サポート・ココナラ
ただ、こういった専門家への依頼は有料ですし、
いったい、どうやって探せばいいの…?
と悩みますよね。
(労基署などでも、基本的には個別の専門家の紹介はしません)
そんなときにおすすめなのが、こちらのサイト「相談サポート」です。
無料のメール・電話相談で、労働問題に適した近隣エリアの弁護士などの専門家を探してくれます。
解決を依頼する場合は有料となるケースもありますが、無料での相談だけで済ませることもできますので、安心してご利用ください。
もうひとつのおすすめサイトは、スキルマーケットのココナラ。
ココナラでは、「労働問題のプロ」である社会保険労務士などに相談することができます(こちらは有料です)。
「事務所まで行くのはちょっと…」という方には、おすすめのサービスです。
まとめ:相談できる人がいないなら公的機関や相談窓口へ
この記事では、仕事の悩みが相談できない人向けに、会社とのトラブル・仕事の悩みを相談するメリット、相談件数、3つの相談窓口、おすすめ相談先までご紹介しました。
相談すると、たとえ解決しなくとも、不安やストレスを取り除くことができます。
もし身近に相談できる人がいないなら、今回の記事を参考に、公的機関や相談窓口に相談しましょう。
◆悩んだら「その会社・仕事から離れる」ことも解決方法のひとつ。転職先を探すときは、こちらの記事を参考にどうぞ。
・記事「失敗しない転職先の探し方・見つけ方!」
・記事「派遣社員になりたいとき」
◆もし「会社が倒産して給料が未払いで困っている…」ときは、こちらの記事で「立替払制度」を解説しています。
・記事「会社が倒産…未払いの給料はどうなる?未払賃金立替払制度も解説」
参考文献
この記事では、下記の書籍を参考にさせて頂いております。
- 書籍 佐々木亮・著『武器としての労働法』KADOKAWA
- 書籍 労働問題研究会・著『働く人のための法律ガイドブック』労働教育センター
- 書籍 樺沢紫苑・著『ストレスフリー超大全』ダイヤモンド社