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パワハラ・セクハラでの休職は労災?認定基準やデータ、事例、休業中の補償まで紹介します

パワハラ・セクハラでの休職は労災?認定基準やデータ、事例、休業中の補償まで紹介します働き方

厚生労働省の調査では、「セクハラについては相談件数が減少したものの、パワハラについては相談件数がここ3年変わらない」という会社が多いようです。
そんななかで、

上司のパワハラ・セクハラが原因で休職に…、これは労災になるの?

こんなギモンが出るかもしれません。

そこでこの記事では、パワハラ・セクハラでの休職が労災になるかどうか、その認定基準、厚生労働省のデータ、認定された事例、休業中の補償までご紹介します。

「会社でのパワハラ・セクハラに悩んでいる…」というときは、ぜひご覧ください。

◆「労災保険とその内容」をくわしく知りたい方には、こちらの記事もオススメです。
・記事「労災保険とは?わかりやすく解説もわかりやすく解説

パワハラ・セクハラでの休職は労災?認定基準やデータも紹介

パワハラ・セクハラでの休職は労災?認定基準やデータも紹介

まずは、上司や同僚によるパワハラやセクハラが原因で、メンタルヘルス不調となり休職した場合は、労災認定されるのかどうかを確認しましょう。

パワハラ・セクハラが原因のメンタルヘルス不調は労災認定されることも

会社でのパワハラ・セクハラが原因のメンタルヘルス不調も、すべての案件ではありませんが労災認定されます

とはいえ、次項でご紹介するように、精神障害についての労災請求は年々増加。
そこで厚生労働省では、2011年12月に「心理的負荷による精神障害の認定基準」を定め、この基準にもとづいて労災認定を行うこととしました。

認定基準で紹介されている「精神障害の労災認定要件」は次のとおりで、すべて満たすことが必要です。

精神障害の労災認定要件
  • 認定基準の対象となる精神障害を発病している
  • 認定基準の対象となる精神障害の発病前おおむね6ヶ月のあいだに、業務による強い心理的負荷が認められる
  • 業務以外の心理的負荷や個体側要因により発病したとは認められない

メンタルヘルス不調の労災認定は年々増加中(厚生労働省のデータから)

厚生労働省が公表するデータ「過労死等の労災補償状況」によれば、精神障害の労災認定件数(下グラフの「支給決定件数」)は年々増加しています。

厚生労働省が公表するデータ

ただし労災認定の割合は低く、令和2年度(2020年度)では請求件数の29.6%にとどまっている点は残念です。

そして同調査にて「精神障害の出来事」を確認すると、「上司からのパワハラ」が1位
3位の「暴行・いじめ」も含めれば、パワハラがメンタルヘルス不調に大きく影響していることがわかります。

〈令和2年度「具体的な出来事」支給決定件数ランキング〉
1位
:上司等から、身体的攻撃、精神的攻撃等のパワーハラスメントを受けた(99件)
2位:悲惨な事故や災害の体験、目撃をした(83件)
3位:同僚等から、暴行又は(ひどい)いじめ・嫌がらせを受けた(71件)
4位:仕事内容・仕事量の(大きな)変化を生じさせる出来事があった(58件)
5位:(重度の)病気やケガをした(50件)
6位:セクシュアルハラスメントを受けた(44件)

さらに「セクハラ」は6位
パワハラ・セクハラが原因でメンタルヘルス不調となった場合でも、労災認定されることが確認できます。

労災の相談は最寄りの労働局へ

労災の相談は最寄りの労働局へ

上司や同僚によるパワハラやセクハラでメンタルヘルス不調になった…、そんなときはまず、労働局へ相談してみてください。
(連絡先などは、記事「会社・仕事の悩みの相談先を紹介」でご紹介しています)

労働局にはセクハラなどでの精神障害についての相談窓口があり、臨床心理士などの資格を持った担当者が相談に応じてくれます。

「パワハラ」が労災認定基準に明記

前述した、労災認定の基準となる「心理的負荷による精神障害の認定基準」に、2020年6月からは「パワハラ」が明記されました。
これは同月にパワーハラスメント防止対策が法制化されることをうけてのもの。

明記されたことで、パワハラが原因によるメンタルヘルス不調が、より認定されやすくなるといいですね。

パワハラが原因でうつ病を発症し労災認定された事例紹介

厚生労働省の資料に、「パワハラが原因でうつ病を発症し労災認定された事例」が記載されています。
実際に認定されており、参考になるますのでご紹介します。

Bさんは総合衣料販売店に営業職として勤務していたところ、異動して係長に昇格し、主に新規顧客の開拓などに従事することになった。
新部署の上司は B さんに対して連日のように叱責を繰り返し、その際には「辞めてしまえ」「死ね」といった発言や書類を投げつけるなどの行為を伴うことも度々あった。
係長に昇格してから3か月後、抑うつ気分、睡眠障害などの症状が生じ、精神科を受診したところ「うつ病」と診断された。
〈判断〉
①上司のBさんに対する言動には、人格や人間性を否定するようなものが含まれており、それが必要に行われている状況も認められることから、別表1の具体的出来事29「上司等から、身体的攻撃、精神的攻撃等のパワーハラスメントを受けた」の心理的負荷「強」の具体例である「人格や人間性を否定するような、業務上明らかに必要がない又は業務の目的を大きく逸脱した精神的攻撃が執拗に行われた場合」に合致し、総合評価は「強」と判断される。
②業務以外の心理的負荷、個体側要因はいずれも顕著なものはなかった。
①②より、Bさんは労災認定された。

厚生労働省「精神障害の労災認定」より
しゅう
しゅう

読むだけでブルーになる内容ですが、こういった仕打ちを受けているようでしたら、すぐに労働局に相談してください。

パワハラ・セクハラでの休職が労災になれば、治療が無料に

パワハラ・セクハラでの休職が労災になれば、治療が無料に

業務中の事故などでケガをしたり病気になり、労災病院や労災指定病院等にかかれば、原則としてケガや病気が治るまで無料で治療をうけられます
これが、労災保険の「療養の給付」です。

パワハラ・セクハラが原因でメンタルヘルス不調となり休職し、それが労災と認定されれば、もちろん同様に無料で治療可能。
治療費や入院の費用、看護料など、療養のために必要なものはすべて含まれます。

申請書は「療養補償給付及び複数事業労働者療養給付たる療養の給付請求書(様式第5号)」で、この用紙を、治療をうけている医療機関に提出します。

くわしくは厚生労働省のサイトをご覧ください。

障害が残ったときには障害補償給付を

パワハラ・セクハラが原因でメンタルヘルス不調となり治療をうけた場合でも、一定の障害が残ったときは、障害補償給付が支給されます。

障害が「障害等級表」での障害等級1~14級に該当すると、その障害の程度によって支給額が変わる点が特徴。

申請書は「障害補償給付 支給請求書(様式第10号)」で、必要事項を記入して労働基準監督署に提出します。

制度について、くわしくは厚生労働省のサイトをご覧ください。

パワハラ・セクハラでの休職が労災になれば、休業中の生活費が支給される

パワハラ・セクハラでの休職が労災になれば、休業中の生活費が支給される

パワハラ・セクハラが原因でメンタルヘルス不調となり休職し、それが労災と認定されれば、労災保険から生活費として休業補償給付が支給されます。

一般的には「休業補償」とよばれ、仕事や通勤が原因でケガをしたり病気になるなど、労災により休職したため、給料をもらえない場合に、労災保険から受ける補償のことです。

そして休業補償給付が支給されるための要件は次のとおりで、3つすべてを満たす必要があります。

休業補償給付が支給されるための要件
  1. 業務上の事由または通勤による負傷や疾病による療養である
  2. はたらくことができない
  3. 給料をもらっていない

申請書は「休業補償給付支給請求書」で、必要事項を記入して労働基準監督署に提出します。

◆「休業補償」についてくわしくは、こちらの記事でご紹介しています。

まとめ:パワハラ・セクハラでの休職も労災に、まずは労働局に相談を

この記事では、パワハラ・セクハラでの休職が労災になるかどうか、その認定基準、厚生労働省のデータ、認定された事例、休業中の補償までご紹介しました。

記事でご紹介したように、パワハラ・セクハラでの休職も労災になります。
まずは労働局に相談して、どういった対応をすべきか確認しましょう。

◆「労災保険とその内容」をくわしく知りたい方には、こちらの記事もオススメです。
・記事「労災保険とは?わかりやすく解説もわかりやすく解説

◆「パワハラを理由にした退職」についてくわしくは、こちらの記事でご紹介しています。
・記事「パワハラを理由に「即日退職」できる?

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参考文献

この記事では、下記の書籍を参考にさせて頂いております。

  • 書籍 林智之・著『メンタルヘルスの法律問題と手続きマニュアル』三修社
  • 書籍 加藤知美・著『セクハラ・パワハラ・マタハラをめぐる法律とトラブル解決法130』三修社
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