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契約社員とは?正社員・派遣社員との違い、無期転換ルール、雇止めも解説【働く人向け】

契約社員とは?正社員・派遣社員との違い、無期転換ルール、雇止めも解説【働く人向け】 働き方

契約社員として働いたことがない方で、

契約社員はどんな働き方のことなの?正社員や派遣社員とはどんな違いがあるの?

こんな疑問はありませんか?
実際に働いてみないと、契約社員の実態はなかなかわからないですよね。

そこでこの記事では、 働く人向けに、 契約社員とはどんな働き方か、正社員や派遣社員との違い、無期転換ルール、雇止めなども解説していきます。

「契約社員として働きたいので、実態を知りたい!」というときは、ぜひご覧ください。

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契約社員とは何か?定義を確認

契約社員とは何か?定義を確認

まずは、派遣社員とはどんな働き方を指すのか?その定義を確認しましょう。

契約社員とは簡単に説明すると「期間を定めて働く労働者」

契約社員とは、簡単に説明すると「一定の期間を定めて働く労働者」のことです。

一般的には、システムエンジニアなど「特別な技術」を持った人が、会社と有期労働契約を結んで働くことを指します。

ただし「契約社員」に正確な定義はなく、次項でご紹介するとおり、法律上でも定義されていません。

ですので在宅ワーカーや、1年更新のパートタイマーのことを指す場合も。

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会社によって定義がまちまちですので、契約社員として働くときには、労働契約の内容をしっかり確認することが大切です。

法律上で「契約社員」の定義はない

法律上では「契約社員の定義」はありません

ですから国の調査などでも、その調査によって定義はバラバラ。
たとえば、厚生労働省の公式サイトの「さまざまな雇用形態」では、次のように紹介しています。

契約社員(有期労働契約)
契約社員といわれる人たちなどにみられるように、正社員と違って、労働契約にあらかじめ雇用期間が定められている場合があります。
このような期間の定めのある労働契約は、労働者と使用者の合意により契約期間を定めたものであり、契約期間の満了によって労働契約は自動的に終了することとなります。
1回当たりの契約期間の上限は一定の場合を除いて3年です。

また、総務省の「就業構造基本調査」で、調査票に「契約社員」という言葉が使われるようになったのは2002年から労働政策研究・研修機構の資料より)。

ですから、契約社員は”比較的新しい雇用形態”ともいえます。

契約社員で働くときのルールを確認

契約社員で働くときのルールを確認

次に、契約社員で働くときのルールを確認しましょう。

労働法:原則、正社員と同じく適用される

契約社員も原則として、労働法は正社員と同じように適用されます

ちなみに労働法とは、労働基準法や最低賃金法、男女雇用機会均等法など、「労働者のはたらき方のルール」を定めた法律・命令・通達・判例などの総称です。

つまり契約社員でも有給休暇はありますし、残業すれば残業代が出るということです。

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ただし「所定労働時間が短いとき」などは、有給休暇の付与日数は減らされます。

◆「労働基準法」や「最低賃金」についてくわしくは、こちらの記事でご紹介しています。
・記事「労働基準法とは?
・記事「最低賃金の計算方法を紹介

無期転換ルール:有期契約の契約社員が無期契約に転換できる

無期転換ルールとは、次のようなルールのことです。

「無期転換ルール」とは

契約社員やパート・アルバイトなどの「有期契約労働者」が、5年を超えて契約更新された場合に、労働者が会社に申し込むことで「無期労働契約」に転換されるというルール

労働契約法の改正によって、2013年4月からこの「無期転換ルール」が使えるようになりました。

そして、社員が「無期転換の申し込み」をすれば、会社は断ることができません
申し込んだ時点での「有期労働契約」が終了した翌日から、無期に転換です。

また「5年を超えたら自動的に無期に転換」となるわけではなく、「労働者が申し込む」ことが必要な点もポイント。

ただし、無期転換したからといって正社員になれるわけではありません
あくまで無期契約となるだけで、給与や労働時間などの条件は変わらないことがほとんどです。

無期転換ルールについては、厚生労働省が作成したこちらの動画が、わかりやすく教えてくれます。

◆「無期転換ルール」については、こちらの記事でもご紹介しています。
・記事「無期転換ルールのデメリットとは?

退職金:制度がある契約社員は20.1%

厚生労働省が発表した「令和元年度 就業形態の多様化調査」によれば、契約社員のうち、「現在の会社に退職金がある」と答えたのは20.1%でした。

「現在の会社に退職金がある」と答えた割合
正社員:77.7 %
出向社員:74.8 %
嘱託社員:19.5 %
契約社員:20.1 %
パート:8.0 %
臨時労働者:10.8 %
派遣社員:17.0 %
(厚生労働省の「令和元年度 就業形態の多様化調査」より)

また、退職金の金額まで調べたデータはありませんが、「正社員との退職金のちがい」について調査した結果が下グラフです。

正社員との退職金のちがい
出典:東京都産業労働局

契約社員の10.7%は「退職金が正社員と同じ」と回答。

しかし契約社員の34.8%の人が「仕事の”内容・量・責任”すべてが同じなのに、退職金がちがって不合理だ」と感じています。

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契約社員では、退職金はあまり期待しないほうがいいかもしれませんね。

◆「契約社員の退職金」についてくわしくは、こちらの記事でご紹介しています。
・記事「【契約社員の退職金】出る?出ない?

契約社員と正社員との違い

契約社員と正社員との違い

次に、契約社員と正社員との違いをご紹介します。

契約社員と正社員との違い:会社との労働契約が有期か無期か

契約社員と正社員との大きな違いは、会社との労働契約が有期か無期かという点です。

  • 契約社員:有期雇用(労働)契約(3ヶ月や6ヶ月など、期間の定めのある労働契約)
  • 正社員:無期雇用(労働)契約(期間の定めのない労働契約)

とはいえ正社員も、契約社員と同じで、法律上の定義はありません
そのため、その定義は会社によってバラバラです。

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多くの会社では「雇用契約の定めがなく、フルタイムで働く人」が正社員のようです。

ちなみに、厚生労働省の資料では「正規雇用・非正規雇用」を、次のように定義しています。

正規雇用・非正規雇用の定義

以下の3つをすべて満たす働き方が「正規雇用」、それ以外が「非正規雇用
(1)労働契約の期間の定めがない
(2)所定労働時間がフルタイムである
(3)直接雇用である

◆「正社員と非正規社員の違い」についてくわしくは、こちらの記事でご紹介しています。
・記事「正社員と非正規社員の違いとは?

正社員とくらべたときの契約社員のメリット・デメリット

正社員とくらべたときの、契約社員のメリット・デメリットは、次のようになります。

正社員とくらべたときの契約社員のメリット
  • 自分のスキルを活かした仕事ができる
  • 残業や休日出勤が少ない
  • 自分の時間を大切にできる
  • 責任が軽い
正社員とくらべたときの契約社員のデメリット
  • 雇用が安定しない
  • 給与が低い
  • 退職金やボーナスが出ないことが多い
  • 責任が伴う仕事が任されにくい
  • 社会的な信用が低い
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契約社員は、仕事内容や時間的な自由が大きい分、社会的な地位が低いといえます。

なお、契約社員では「正社員と同じ仕事なのに、給与が低い」といった問題もありますが、「働き方改革」における「同一労働同一賃金」を実現するための動きがはじまっています。

契約社員と派遣社員の違い

契約社員と派遣社員の違い

次に、契約社員と派遣社員の違いをご紹介します。

契約社員と派遣社員の違い:会社との労働契約が有期か無期か

契約社員と派遣社員との大きな違いは、働く会社と直接雇用か、間接雇用かという点です。

  • 契約社員:直接雇用(働く会社と直接、労働契約を結んでいる)
  • 派遣社員:間接雇用(働く会社とは労働契約を結ばず、派遣会社と契約している)

また、他には次のような違いも。

  • 転職先(次の会社):契約社員は自分で探さなければならない、派遣社員は派遣会社が探してくれる
  • 出向:契約社員は「本人が納得」すればできる、派遣社員は出向ができない(二重派遣になるため)

仕事内容は、契約社員と派遣社員のどちらも専門的な仕事が多く、比較的近いといえます。

派遣社員とくらべたときの契約社員のメリット・デメリット

派遣社員とくらべたときの、契約社員のメリット・デメリットは、次のとおりです。

派遣社員とくらべたときの契約社員のメリット
  • 専門的な資格・技能をいかせる
  • 派遣社員よりも賃金は高め
派遣社員とくらべたときの契約社員のデメリット
  • 給料や職場環境の改善は自分でしなくてはいけない
  • 契約が終了したら、働き先を自分で探さなくてはならない

賃金について厚生労働省のデータをみると、下表のように「20~40万円未満」は契約社員が多いことがわかります。

10万円未満10~20万円未満20~30万円未満30~40万円未満40~50万円未満50万円以上
派遣社員7.7%40.9%30%9.6%3.9%2.7%
契約社員3.8%37.7%34.4%13.4%3.1%4.2%
厚生労働省の令和元年就業形態の多様化に関する総合実態調査より)

次に「現在の会社における、各種制度等の適用状況」を見ると、とくに「賞与支給制度」がある会社の割合が、契約社員では派遣社員の倍以上という多さ。

退職金制度賞与支給制度
派遣社員17.0%24.8%
契約社員20.1%45.1%
厚生労働省の令和元年就業形態の多様化に関する総合実態調査より)

もちろん、すべての契約社員が「ボーナスも退職金もでる!」というわけではありませんが、稼ぎたいなら派遣社員よりも契約社員がおすすめです。

◆「派遣社員と契約社員の違い」についてくわしくは、こちらの記事でご紹介しています。
・記事「派遣社員と契約社員の違いとは?

契約社員で働くうえでの注意点

契約社員で働くうえでの注意点

次に、契約社員で働くうえでの注意点をご紹介します。

もし、以下のようなことで悩んだときは、記事「会社・仕事の悩みの相談先を紹介」でご紹介する「労働局」や「一般社団法人ボイス」へ相談してみてください。

退職:原則、契約期間中にはできない

契約社員のうち「有期労働契約」ではたらく人は、原則として、契約期間中に退職することはできません
これは、「会社と社員が合意して、契約期間を決めている」とみなされるため。

ただし次の場合は、それぞれのケースで退職が可能です。

  • 契約期間が1年を超えるとき:はたらきはじめて1年たてば、いつでも退職の申し入れができる
  • 契約期間が1年以内のとき:契約が更新されたら、いつでも退職の申し入れができる

また契約期間中でも、「やむを得ない事由じゆう」をふくめた以下の場合には、退職ができます

契約期間中でも退職ができるケース
  1. 「明示された労働条件」と「実際の条件」がちがっていた場合
  2. パート先が、就業規則などで「契約期間中の退職」を認めている場合
  3. パート先とパート社員が、退職に合意した場合
  4. 社員に「やむを得ない事由じゆう」がある場合
    ・仕事をつづけることで、社員の身体・生命に対する危険が予測される場合
    ・近親者の介護が必要な場合
    ・家庭の事情が急激に変化した場合

ただ、「やむを得ない事由」があっても、「退職の理由」が社員側の過失によるもので、会社側に具体的な損害が発生した場合は、損害賠償の請求をされる可能性があるので注意してください。

◆「退職のルール」についてくわしくは、こちらの記事でご紹介しています。
・記事「退職ルールまとめ

雇止め:有期契約の満了時に更新しないこと

雇止やといどめ(やとめ)」とは、わかりやすくいうと次のことを指します。

雇止めとは、期間の定めのある労働契約(有期労働契約)において、契約期間の満了時点で更新を行わないこと

本来、「雇止め」を行うことは、会社の自由

しかし労働者保護の観点から、次のような場合は「雇止め」が制限され、認められません(労働契約法19条)。

  1. 有期労働契約が何度も更新され、更新しないことが解雇と同様といえる場合
  2. 有期労働者が労働契約の更新がなされるという合理的な期待を持っている場合

このどちらかに該当するときは、「合理的な理由」と「社会通念上相当性」がなければ、以前の契約と同一条件での更新が成立します。

◆「雇止め」についてくわしくは、こちらの記事でご紹介しています。
・記事「雇止めとは?制限されるケースや解雇との違いなどわかりやすく解説

クーリング期間:無期転換の時期に影響することも

契約社員のクーリング期間とは、一定期間あることで、それ以前の契約期間が、無期転換の「通算対象」からのぞかれてしまう「無契約期間」のことです。

「無契約期間」とは、会社を退職して「労働契約をむすんでいない期間」。

無期転換ルールでは、「一度退職 → また同じ会社にもどる」というケース、つまり「無契約期間」がある場合でも、退職前の契約期間を「通算対象」と認めています

ただし「無契約期間」があまり長いようなら、退職前の期間を「通算対象」にふくめないのが「クーリング」の考え方です。

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「転換逃れ」のためにクーリング期間を設ける会社もあるので、注意しましょう。

◆「クーリング期間」についてくわしくは、こちらの記事でご紹介しています。
・記事「契約社員のクーリング期間とは?

正社員登用制度:法律上のルールはない

正社員登用制度とは、おなじ会社ではたらく、契約社員やパート・アルバイトなどの「非正規社員」から、正社員に雇用形態が変更される制度です。

試験などに合格した「非正規社員」の雇用契約を「正社員」に切り替えます。

ただし「正社員登用制度」は、法律などでルールが決まっていないため、方法や基準などはすべて会社しだいです。

事例としては、日産自動車が「本社などの全契約社員約800人を、2021年4月から原則として正社員登用する」と発表しています。

厚生労働省の「労働経済動向調査(令和3年2月)」によれば、正社員登用制度のある会社の割合は次のとおり。

  • 正社員登用制度あり:77 %(うち登用実績あり:41 %、実績なし36 %)
  • 正社員登用制度なし:22 %(うち登用実績あり:6 %、実績なし16 %)

正社員登用の基準・条件の「実施する会社の割合ランキング」は、下記のとおりです。

  • 1位:本人の希望(76.2 %)
  • 2位:勤務評定(60.7 %)
  • 3位:上司の推薦(43.0 %)
  • 4位:一定期間の継続勤務(33.0 %)
  • 5位:面接(26.8 %)
  • 6位:試験(8.3 %)
  • 7位:講習や研修(40 %)
    正社員登用の基準・条件として実施する会社の割合ランキング(複数回答可)
    (東京都産業労働局「平成27年度企業の正社員化取組事例集」より)

◆「正社員登用制度」についてくわしくは、こちらの記事でご紹介しています。
・記事「正社員登用制度とは?

「契約社員の正社員化」は会社の義務ではない

契約社員の45.7%が「正社員に変わりたい」と望んでいる状況ですが(厚生労働省の調査)、「契約社員の正社員化」は会社の義務ではありません

なお、「契約社員の正社員化」とは、「契約社員」として働く人の”雇用形態”が、「正社員」になること。

正社員化する方法として、前項の「正社員登用制度」があります。
こう聞いて、

「無期転換ルール」も、正社員化ルールのひとつじゃない?

と思った方もいるかもしれませんが、正確にはまちがい

契約社員の「正社員化」と「無期転換ルール」との違いは、次のようになります。

  • 正社員化:雇用形態が正社員に変更されること
  • 無期転換ルール:雇用形態が無期労働契約に転換されること(正社員になるとは限らない)

◆「契約社員の正社員化」についてくわしくは、こちらの記事でご紹介しています。
・記事「「契約社員の正社員化」とは?

約束したはずが、会社が契約社員から正社員にしてくれないときの対応

約束したはずが、会社が契約社員から正社員にしてくれないときは、次の方法を試してください

  1. 会社に「正社員登用制度」があるか確認する
  2. 「正社員登用制度なし」から正社員に登用された人がいるか聞く
  3. 具体的に「どうすれば・いつ頃に正社員になれるか」を上司に聞く

上記を試しても、会社がはっきりしないなら、転職を検討しましょう。

なお厚生労働省の調査結果を見ると、正規雇用転換者(有期契約から正規雇用になった人)は、「34歳以下の男性」・「運輸業」での割合が高いことがわかります。

  • 〈正規雇用転換者比率が高い業種〉
    1位:運輸業(8.7%)
    2位:建設業(7.8%)
    3位:情報通信業(6.7%)
  • 〈正規雇用転換者比率が高い職種〉
    1位:運輸・通信関連職(7.4%)
    2位:保安・警備職(6.6%)
    3位:専門職・技術職(6.3%)
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契約社員から正社員になりたい方は、正規雇用転換者比率の高い、こちらの業種・職種を選ぶのもひとつの方法です。

◆「会社が正社員にしてくれないときの対応」についてくわしくは、こちらの記事でご紹介しています。
・記事「契約社員から正社員にしてくれないときはどうする?

まとめ:契約社員で働くならルール・注意点の把握を

この記事では、 働く人向けに、 契約社員とはどんな働き方か、正社員や派遣社員との違い、無期転換ルール、雇止めなども解説してきました。

契約社員として働くときは、ぜひ記事を参考にルール・注意点を把握してから働きましょう。
会社に”いいように使われてしまう”ことがなくなりますよ。

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参考文献

この記事では、下記の書籍を参考にさせて頂いております。

  • 書籍 労働問題研究会・著『働く人のための法律ガイドブック』労働教育センター
  • 書籍 佐々木亮・著『武器としての労働法』KADOKAWA
  • 書籍 小島彰・著『パート・契約社員・派遣社員の法律問題とトラブル解決法』KADOKAWA
「転職で失敗したくない!」という人は →
転職成功に必須のサービス紹介
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