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労働基準法とは?労働時間・休憩・休日・残業・賃金(給料)などのルールもわかりやすく解説

労働基準法とは?労働時間・休憩・休日・残業・賃金(給料)などのルールもわかりやすく解説労働法

はたらく人には、ぜひ知ってほしい「労働基準法」。
ですが、

労働基準法…、聞いたことはあるんだけど、どんな法律なの?

という方も、多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、労働条件の最低基準を定めた法律である「労働基準法」について、労働時間・休憩時間・休日・残業・賃金(給料)などのルールもふくめ、わかりやすく解説していきます。

「会社がブラックでツラい…」というときは、解決のきっかけになるかもしれませんので、ぜひご覧ください。

労働条件の最低基準を定めた法律「労働基準法」とは?

労働条件の最低基準を定めた法律「労働基準法」とは?

労働基準法ろうどうきじゅんほうとは、労働者が人間らしい生活をおくれるように、「労働条件の最低基準」を定めた法律です。
全文はこちらで確認可能。

「労働者」にとって重要な、次のルール・最低基準をきめています。

  1. 労働条件についてのルール
  2. 解雇についてのルール
  3. 給料についてのルール
  4. 労働時間についてのルール
  5. 休日などについてのルール

そして会社がきめた「労働条件(はたらくための社内ルール)」が、労働基準法がきめた最低基準にとどかないときは、社内ルールは無効です。
無効となった部分は、労働基準法の最低基準がルールに。

また会社側が、労働基準法でのルールに違反して社員をはたらかせると、会社側は刑罰の対象となります。

「労働基準法」と労働法・労働三法の違い

「労働法」というコトバを聞いたことがあるけど、これは「労働基準法」とはちがうの?

じつは、「労働法ろうどうほう」という名称の法律はありません。
「労働法」とは、「労働者のはたらき方のルール」を定めた法律・命令・通達・判例などの総称です。

そのなかには労働基準法や、次のような法律がふくまれます。

「労働法」にふくまれる法律
  1. 労働条件の基準などをきめる法律:労働基準法、パートタイム労働法、最低賃金法、男女雇用機会均等法、育児・介護休業法 など
  2. 雇用の確保や安定のための法律:労働者派遣法、雇用対策法、職業安定法、高年齢者雇用安定法 など
  3. 労働保険や社会保険についての法律:労災保険法、雇用保険法、健康保険法、厚生年金保険法 など
  4. 労働契約や労使関係をきめる法律:労働契約法労働組合法労働関係調整法 など

前項でご紹介した「労働法」のなかでも、中心的となる次の法律3つは「労働三法ろうどうさんぽう」とよばれます。

〈労働三法〉
1.労働基準法:労働条件の最低基準を定めた法律
2.労働関係調整法:労使関係における紛争処理について定めた法律
3.労働組合法:労働組合を組織し、交渉することなどについて定めた法律

なお、「労働三法」と似たコトバで「労働三権ろうどうさんけん」があります。
こちらは「憲法28条」で保証された、以下の3つの権利のことです。

労働三権
 ①団結権:労働者が団結して労働組合を結成する権利
 ②団体交渉権:労働者が会社と団体交渉する権利
 ③団体行動権(争議権):労働者が要求実現のために団体で行動する権利

この「労働三権」を明確なルールにしたものが、上記の労働組合法です。

労働基準法は誰を守る?対象となる雇用形態

労働基準法は誰を守る?対象となる雇用形態

労働基準法がまもるのは「労働者」で、これは「職業の種類を問わず、会社などに雇用される者で、給与を支払われる者」です。

非正規社員としてはたらいている人のなかには、

でも「労働基準法」って、「正社員のための法律」なんでしょ…

と思っている人もいるようですが、じつはちがいます。

「労働者」であれば雇用形態はカンケーなく正社員のほかパート・アルバイト・契約社員・派遣社員などあらゆる従業員に適用されます。

逆に、労働基準法が適用されないのは「フリーランス」など、「雇用されていない人」です。

つまり、次項でご紹介するルールは、パートなど非正規社員にも適用されます。
パートでも、残業代や休日出勤手当、有給休暇も出ますので安心してください。

労働基準法で定めた「ルール・労働条件の最低基準」の内容

労働基準法で定めた「ルール・労働条件の最低基準」の内容

次に、労働基準法で定めたている「ルール・労働条件の最低基準」の、おもな内容をご紹介します。

[労働基準法の内容①]労働条件の明示

会社は社員を雇うとき、給料や労働時間などの「労働条件」を、書面などで明示しなければなりません労働基準法15条1項)。

この「労働条件の明示」には、項目によって「書面などで行う」必要があるものと「口頭でもよい」ものがあります。

また「明示された労働条件」と実際の条件がちがっていたときは、会社側の同意を得なくとも、「即日退職」が可能です(労働基準法15条2項)。

◆「労働条件の明示」についてくわしくは、こちらの記事でご紹介しています。
・記事「【労働条件の明示】どんな義務?
・記事「求人広告・求人票の労働条件が実際と違うときはどうする?

[労働基準法の内容②]労働時間

労働時間については「原則として、法定労働時間週40時間1日8時間)を超えてはたらかせてはならない」とされています(労働基準法32条)。

ただし例外として、会社と社員が労使協定書をむすび(「三六協定さぶろくきょうてい」とよばれます)、労働基準監督署に届けている場合には、法定労働時間を超えての「時間外労働」や「休日労働」が可能です(労働基準法36条)。

また「法定労働時間」の例外として、「変形労働時間制」や「フレックスタイム制」、「みなし労働時間制」などのはたらき方があります。

◆「法定労働時間」についてくわしくは、こちらの記事でご紹介しています。
・記事「残業しても割増賃金にならないこともある?所定労働時間と法定労働時間の違い

[労働基準法の内容③]休憩時間

会社は社員にたいして、次の時間に応じて休憩をあたえなければいけません労働基準法34条)。

休憩時間のあたえ方
  • 労働時間が6時間を超える場合:45分以上の休憩
  • 労働時間が8時間を超える場合:1時間以上の休憩

なお、お昼の休憩時間に「電話当番」や「来客応対」をさせる会社がありますが、こういった「待機時間」は休憩時間になりません

この時間は「勤務時間」とみなされるため、会社はべつに休憩をあたえることが必要です。

[労働基準法の内容④]残業と割増賃金

会社は、前述の「法定労働時間」以内で、社員をはたらかせなければいけません。
ですが、「三六協定さぶろくきょうてい」の届け出をしていれば、例外として「法定労働時間」をこえて社員をはたらかせることが可能

そして「法定労働時間」をこえてはたらいた時間は「時間外労働(いわゆる残業)」となります。
また「時間外労働」に対しては、125%以上の割増賃金(いわゆる残業代)を支払わなくてはなりません(労働基準法37条)。

なお、ここで「法定内残業」という考え方がでてきます。

たとえば、9時~17時(休憩1時間)ではたらいている場合。
18時まで「1時間残業」しても、労働時間は8時間なので「法定労働時間」は超えない
こういった残業が「法定内残業」。

このとき17時~18時は割増ではなく、通常の賃金をはらえばよい
もちろん、割増賃金をはらっても良い。

◆「割増賃金」についてくわしくは、こちらの記事でご紹介しています。
・記事「残業しても割増賃金にならないこともある?所定労働時間と法定労働時間の違い
・記事「パートは残業代が出ない?
・記事「年俸制では残業代が出ない?
・記事「試用期間中の残業代は出ない?

[労働基準法の内容⑤]休日・休日出勤と割増賃金

会社は、少なくとも「毎週1日の休日」か、「4週間を通じて4日以上の休日」をあたえなければなりません(労働基準法35条)。

三六協定さぶろくきょうてい」の届け出をしていれば、例外として「休日労働」をさせることができますが、135%以上の割増賃金(いわゆる残業代)を支払わなくてはなりません(労働基準法37条)。

[労働基準法の内容⑥]年次有給休暇

会社は、社員が「6ヶ月間継続勤務し、その期間の全労働日の8割以上を出勤した場合」は、10日の有給休暇を与えなければなりません(労働基準法39条)。

有給休暇はもちろんパートやアルバイトにもでますが、はたらく日や時間が少ないと、あたえられる年休の日数も少なくなります

◆「有給休暇」についてくわしくは、こちらの記事でご紹介しています。
・記事「パートは有給休暇がもらえない?

[労働基準法の内容⑦]賃金(給料)

賃金(給料)については、次のように決められており、「賃金支払の五原則」とよばれます。

〈賃金支払の五原則〉
賃金は、(1)通貨で、(2)直接労働者に、(3)全額を、(4)毎月1回以上、(5)一定の期日を定めて支払わなければならない(労働基準法24条)

ここで、たとえば給料の引き下げがあっても、即座に労働基準法違反になるわけではありません。
ですが、労働条件通知書などに記載された額よりも少ないとき、労基法24条違反(給料の一部不払い)となる可能性があります。

また、最低賃金法にもとづき国が”最低賃金(賃金の最低額)”を決めており、会社はその最低賃金額以上の給料を社員に支払わなければいけません

[労働基準法の内容⑧]産休(産前・産後休業)

産休とは、社員が無事に出産し体力を回復することで職場に復帰できるよう、出産が近づいた時期と産後しばらくのあいだ休業を与える制度です。

正確には「産前休業」と「産後休業」とよばれ、この制度は労働基準法65条で決まっています。

なお産休期間は、ノーワーク・ノーペイの原則にもとづき、会社側は給料を支払う義務はありません。
そこで「出産手当金(産休手当)」が支給されます。

また、産休のあとから、原則子どもが1歳になるまでの期間に休業できる制度が「育休(育児休業)」です。
こちらは育児・介護休業法で決められています。

◆「産休(産前・産後休業)」についてくわしくは、こちらの記事でご紹介しています。
・記事「産休(産前・産後休業)とは?
・記事「育児休業(育休)期間はいつまで取れる?
・記事「育児休業給付金(育休手当)はいくらもらえる?

[労働基準法の内容⑨]休業手当

休業手当とは、「会社の責任で休業して、社員を休ませたとき、会社が社員に対して支払わなければいけない手当」のことです。

会社は「平均賃金の6割以上」を、「休業手当」として支払う義務があり、このルールは労働基準法26条で決められています。

もし、「新型コロナの影響で休業したのに会社が休業手当を支給してくれない」ようなら、こちらの支援金に申請してみてください。

◆「休業手当」についてくわしくは、こちらの記事でご紹介しています。
・記事「休業補償と休業手当の違いとは?
・記事「会社都合の休業に有給休暇を使ってもいい?

[労働基準法の内容⑩]退職

労働基準法では、退職についてはあまり決まりがなく、次の2点くらいです。

  • 退職者から請求があった場合、会社側は「退職証明書」を遅滞なく交付しなければならない(22条)
  • 退職者から請求があった場合、会社側は7日以内に賃金などを支払わなくてはならない(23条)

「退職日の2週間以上前までに、会社側に退職を申し出る」というルールは、民法上のものとなっています。

◆「退職のルール全般」についてくわしくは、こちらの記事でご紹介しています。
・記事「退職ルールまとめ

[労働基準法の内容⑪]解雇

労働基準法では、「社員を解雇する場合には、少なくとも30日以上前に予告をするか、解雇予告手当を支払わなくてはならない」と決められています(20条)。

また、次のような解雇を禁止しています。

労働基準法上禁止されている解雇
  • 国籍、信条、社会的身分を理由とする解雇(3条)
  • 業務上の傷病による休業期間及びその後30日間の解雇(19条)
  • 産前産後の休業期間及びその後30日間の解雇(19条)
  • 労働者が労働基準監督署に対して申告したことを理由とする解雇(104条)

労働基準法に違反したときの罰則

労働基準法に違反したときの罰則

会社側が労働基準法のルールに違反して社員をはたらかせると、会社側は刑罰の対象となります。
きびしいものでは「懲役」が科されることも。

ここで注意してほしいのは、たとえ「労働者」であっても、会社のために行動すれば「使用者」となり、罰則が適用される点です。

しゅう
しゅう

「会社のため」といって、労働基準法に違反したことをすると、課長さんや係長さんでも処罰されるということですね

そして、おもな労働基準法の罰則は、下記のとおりです。

1年以上10年以下の懲役又は20万円以上300万円以下の罰金
・強制労働をさせた場合(5条違反)

1年以下の懲役又は50万円以下の罰金
・給料のピンはねをした場合(6条違反)
・児童をはたらかせた場合(56条違反)

6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金
・賃金で男女差別をした場合(4条違反)
・割増賃金をあたえない場合(37条違反)
・年次有給休暇をあたえない場合(39条違反)

30万円以下の罰金
・労働条件の明示をしなかった場合(15条違反)

まとめ:労働条件の最低基準を定めた法律「労働基準法」を知って、会社に対抗を

この記事では、労働条件の最低基準を定めた法律である「労働基準法」について、労働時間・休憩時間・休日・残業・賃金(給料)などのルールもふくめ、わかりやすく解説してきました。

「労働基準法」を学ぶと、会社のウソに対抗できます。
ぜひ記事を参考に、少しずつでいいので法律のあらましを知ってください。

なお、「会社が労働基準法をまもらないので困っている…」という方は、こちら↓の記事でご紹介している公的機関などにご相談ください。

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参考文献

この記事では、下記の書籍を参考にさせて頂いております。

  • 書籍 小島彰・監修『管理者のための労働法の基本と実務』三修社
  • 書籍 小畑史子 他・著『労働法』有斐閣ストゥディア
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