会社・仕事がツラいときは、誰かに相談しましょう!一人で悩まないでください

研修の時間は給料が出ない?入社前の研修は無給?パート・バイトでのルールも解説します

研修の時間は給料が出ない?入社前の研修は無給?パート・バイトでのルールも解説します労働法

会社の研修があったときに、

上司に言われて、休日に研修に出たのに、給料が出なかった…。これって問題ないの?

パートで働く前に研修があったけど、「入社前だから」って給料がでないのは普通なの?

こんな疑問を持ったことはありませんか?

「研修だからそんなものか…」とあきらめがちですが、実は給料が出る(出さなきゃいけない)ケースもあるんです。

そこでこの記事では、研修の時間は給料が出ないのか、入社前の研修は無給なのか、正社員とパートやバイトでは研修時の給料のルールが変わるのかなど解説していきます。

「研修に参加するけど、給料は出るのかな?」と気になっているときは、ぜひご覧ください。

◆「会社・仕事のことをどこかに相談したい」ときの相談先は、こちらの記事でご紹介しています。
・記事「会社・仕事の悩みの相談先を紹介

◆次の会社を探したいときには、こちらの記事が参考になります。
・記事「失敗しない転職先の探し方・見つけ方!
・記事「派遣社員になりたいとき


完全無料でプログラミング学習~転職まで支援!/

※この記事には広告が含まれる場合があります

研修の時間は給料が出ない?法律上のルールを確認

研修の時間は給料が出ない?法律上のルールを確認

まずは、研修を受けてもその時間の給料は出ないのか、法律上のルールを確認しましょう。

研修が「労働時間」にあたれば給料が出る

研修の時間が「労働時間」にあたれば、給料がでます

労働時間」にあたるかは、「会社側の指揮命令下にあるか」で判断。

具体的には「研修への参加を、会社側から義務づけられているかどうか」です。

これは、厚生労働省が公表しているガイドラインで、「労働時間」を以下のように定義しているため。

〈労働時間の考え方〉
労働時間
とは、使用者の指揮命令下に置かれている時間のことをいい、使用者の明示又は黙示の指示により労働者が業務に従事する時間は労働時間に当たる。そのため、次のアからウのような時間は、労働時間として扱わなければならないこと。
(ウ) 参加することが業務上義務づけられている研修・教育訓練の受講や、使用者の指示により業務に必要な学習等を行っていた時間
(厚生労働省「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置 に関するガイドライン」より)

ガイドラインでも書かれているように、その研修が「参加を業務上義務づけられている」なら、それは「労働時間」に該当。
その時間の給料が支払われなくてはなりません。

「労働時間」にあたれば残業代・休日出勤手当・労災も該当

「参加が義務づけられた研修」が「労働時間」であれば、通常の勤務と変わりません

そのため、研修が「1日8時間、1週40時間」を超えて行われれば、「残業代」が、休日に開催されれば「休日出勤手当」が発生します。

さらに「労働時間」にあたる研修中にケガをした場合は、労災です。

「研修」という名称にとらわれず、「仕事の時間」と考えて、会社側がルール違反をしていないか確認しましょう。

会社の研修で給料が出ないケース

会社の研修で給料が出ないケース

次に、会社の研修で給料が出ないケースを確認します。

社員側の自主的な(任意)参加なら給料はでない

研修が「社員側の自主的な参加」によるもの、つまり「任意」であれば、それは労働ではありません。

つまり研修が「労働時間」にはあたらず、給料は出ません

厚生労働省の資料でも、次のような研修や勉強会は、「労働時間」にあたらないとしています。

労働時間に該当しない事例
  1. 終業後の夜間に行うため、弁当の提供はしているものの、参加の強制はせず、また、参加しないことについて不利益な取扱いもしない勉強会。
  2. 労働者が、会社の設備を無償で使用することの許可をとった上で、自ら申し出て、一人でまたは先輩社員に依頼し、使用者からの指揮命令を受けることなく勤務時間外に行う訓練。
  3. 会社が外国人講師を呼んで開催している任意参加の英会話講習。なお、英会話は業務とは関連性がない。
    (厚生労働省「労働時間の考え方:「研修・教育訓練」等の取扱い」より)

ただし「社内勉強会」が「労働時間」になることもある

では、会社の定時後などに「社内勉強会」を行っていた場合は、どうでしょう?

結論は、たとえ「勉強会だから、出席は強制ではない」とされていても、「実質的に教育や研修への出席が強制されているとみられる」なら、「労働時間」とされます

たとえば、「この勉強会に参加しないと、業務に就けない」など、参加しないことで何らかのペナルティが発生するものは、「労働時間」です。

厚生労働省の資料でも、「命令や強制がなくても残業扱いになることが多い例」つまり「労働時間」にあたるものとして、次の3点を紹介しています。

命令や強制がなくても残業扱いになることが多い例
  1. 従業員の職務内容に関するもの
  2. 職場環境の保持向上に関するもの
  3. 安全衛生に関するもの
    (厚生労働省「労働基準法 素朴な疑問Q&A」より)

入社前の研修は無給?

入社前の研修は無給?

次に、入社前の研修は無給なのかご紹介します。

入社前でも「会社側から義務づけられた研修」なら給料が出る

入社前でも、前述の「労働時間」に該当する、つまり「会社側から義務づけられた研修」なら給料が出ます。

もし、

ブラック社長
ブラック社長

今日の研修だけど、まだ入社前で労働契約の開始前だから、無給ね…

この社長が言っている研修が、会社側から義務づけられた研修であれば労働基準法違反

「労働契約がない」ことが理由となるなら、入社前には「労働時間」にあたるような研修が行えません。

労働時間となる研修なら給料が出ますし、怪我をすれば労災になります。

もし会社が給料を出さないなら、記事「会社・仕事の悩みの相談先を紹介」でご紹介する「労働局」や「一般社団法人ボイス」へ相談してみてください。

◆「入社前研修で怪我をしたら労災になるか?」については、こちらの記事で解説しています。
・記事「入社前研修でケガをしたら労災になる?

入社前の研修時間の給料でも「最低賃金以上の額」が必要!

ブラック社長
ブラック社長

じゃあ給料ははらうけど、研修だから時給500円でいいよね…

これは最低賃金法違反になります。
たとえ研修であっても、会社側は最低賃金以上の額を支払わなければなりません。

就業規則などで決めてあれば、「研修中のみ通常の給料よりも低い額を支払う」ことは許されますが、最低賃金以上の額は必要!

「金額が低い…」と思ったら、最低賃金より低くなっていないか確認してみましょう。

◆「最低賃金の計算方法や、最新の最低賃金額」については、こちらの記事で紹介しています。
・記事「最低賃金の計算方法を紹介

正社員とバイト・パートでは研修時の給料のルールは変わる?

正社員とバイト・パートでは、研修時の給料のルールは変わる?

次に、正社員とバイト・パートでは研修時の給料のルールは変わるのかご紹介します。

正社員とバイト・パートでは研修時の給料のルールは変わらない

正社員とバイト・パートでは、研修時の給料のルールは変わりません
もちろん契約社員や派遣社員でも同じです。

これは、研修時の給料のルールは労働基準法で決められており、すべての「労働者」が対象となるため
(残念ながら、フリーランスは含まれません)

たとえばコンビニでのバイトなら、オープン前の研修なども、給料が支払われなくてはいけません。

パートだから、給料がでなくてもしょうがないか…

などと考えず、問題があれば記事「会社・仕事の悩みの相談先を紹介」でご紹介する「労働局」や「一般社団法人ボイス」へ相談してみてください。

まとめ:研修でも「労働時間」にあたれば、給料はでます!

この記事では、研修の時間は給料が出ないのか、入社前の研修は無給なのか、正社員とパートやバイトでは研修時の給料のルールが変わるのかなど解説してきました。

研修でも「労働時間」にあたれば、給料はでます!

「入社前の研修だから…」などと給料をださない会社は、法律の意識が低く、残念ながら高確率でブラックです。
できるだけ早めにこちら↓の記事を参考に、新しい会社をさがすことをおすすめします。

〈こちら↓の記事もおすすめです〉

◆「労働基準法とその内容」を知りたい方には、こちらの記事もオススメです。
・記事「労働基準法とは?労働時間などのルールもわかりやすく解説

参考文献

この記事では、下記の書籍を参考にさせて頂いております。

  • 書籍 小島 彰・著『パート・契約社員・派遣社員の法律問題とトラブル解決法』三修社
「転職で失敗したくない!」という人は →
転職成功に必須のサービス紹介
「転職で失敗したくない!」という人は →
転職成功に必須のサービス紹介
タイトルとURLをコピーしました