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原則禁止の「日雇い派遣」!その「例外」とは?18業務と4事情、はたらく方法、データまで解説します

原則禁止の「日雇い派遣」!その「例外」とは?18業務と4事情、はたらく方法、データまで解説します労働法

短期・単発の仕事を探していて、

日雇ひやといい派遣」というはたらき方があるらしいけど、何で原則禁止なの?それにどんな「例外」があるの?

という疑問をお持ちの方はいませんか?
派遣の仕事のなかでも、独特でわかりづらいのが、この「日雇い派遣」です。

そこでこの記事では、原則禁止の「日雇い派遣」とその「例外」について、18業務と4事情をわかりやすく紹介し、さらに「日雇い派遣」ではたらく方法と実際のデータまで解説します。

「日雇い派遣ではたらいてみたいな」というときは、ぜひご覧ください。

◆「派遣社員についての情報全般」を知りたい方には、こちらの記事もオススメです。
・記事「派遣社員とは?わかりやすく解説

原則禁止の「日雇い派遣」!その「例外」とは?

原則禁止の「日雇い派遣」!その「例外」とは?

まずは、原則禁止となっている「日雇い派遣」と、その「例外」がどのようなものかご紹介します。

「日雇い派遣」とは、労働契約が30日以内の派遣の仕事

日雇ひやといい派遣」とは、派遣会社と派遣労働者の「労働契約」が30日以内の派遣の仕事のことです。
派遣会社と派遣先の「派遣契約」の期間ではないことに注意してください。

わかりやすく図解すると、下図のとおり。

以前は「日雇い派遣」が、派遣会社でフツウに行われていました。

しゅう
しゅう

僕も派遣会社の営業のとき、「短期派遣」担当として仕事してました。

毎日毎日スタッフさん集めるのが、ホントに大変でしたよ…

しかし後述する問題が多発したため、2012年10月に改正された労働者派遣法によって、原則禁止となっています。

労働者派遣法 35条の4(日雇労働者についての労働者派遣の禁止)
派遣元事業主は、その業務を迅速かつ的確に遂行するために専門的な知識、技術又は経験を必要とする業務のうち、労働者派遣により日雇労働者を従事させても当該日雇労働者の適正な雇用管理に支障を及ぼすおそれがないと認められる業務として政令で定める業務について労働者派遣をする場合又は雇用の機会の確保が特に困難であると認められる労働者の雇用の継続等を図るために必要であると認められる場合その他の場合で政令で定める場合を除き、その雇用する日雇労働者について労働者派遣を行つてはならない。

ちなみに、原則禁止されたのはあくまでも「日雇い派遣」だけであって、会社が直接雇用して行う「日雇いの仕事(パート・アルバイトなど)」まで禁止されたわけではありません

「日雇い派遣」にあたるかどうかの判断事例

「日雇い派遣」にあたるかどうかの判断事例として、厚生労働省では次のようなケースを紹介しています。

〈「日雇い派遣」にあたるケース〉
 ①「労働契約」の期間が1日:例)10月6日の1日のみの仕事
 ②「労働契約」の期間が30日:例)11月の1ヶ月間の仕事
 ③1年間の「労働契約」を結んでいたが、業務上の都合で延長の必要性があり、追加で新たに14日の「労働契約」を結ぶ場合 → 14日間の新たな契約が「日雇い派遣」にあたる

〈「日雇い派遣」にあたらないケース〉
 ④「労働契約」の期間が31日:例)12月の1ヶ月間の仕事
 ⑤「労働契約」の期間が10月1日~11月30日で、いくつかの短期の仕事を組み合わせて行う場合

なお、上記⑤のケースで、その期間中に派遣労働者をいくつかの会社に派遣すること(A社へ2週間、B社へ1週間、C社へ2週間など)も、問題はありません

また、「労働契約」は3ヶ月だったが、派遣労働者の意思により15日で離職した場合でも、「日雇い派遣」の原則禁止には抵触しません

「日雇い派遣」の「例外」となる18業務と労働者側の4事情

2012年10月に原則禁止となった「日雇い派遣」。
ただし、次の条件のどちらかにあてはまる場合には「例外」として、「日雇い派遣」が認められます

「例外」の条件1:業務が、以下の業務の場合(18業務)

「日雇い派遣」の例外18業務
○ ソフトウェア開発
○ 機械設計
○ 事務用機器操作
○ 通訳、翻訳、速記
○ 秘書
○ ファイリング
○ 調査
○ 財務処理
○ 取引文書作成
○ デモンストレーション
○ 添乗
○ 受付・案内
○ 研究開発
○ 事業の実施体制の企画、立案
○ 書籍等の制作・編集
○ 広告デザイン
○ OAインストラクション
○ セールスエンジニアの営業、金融商品の営業

これらの業務は「日雇労働者の適正な雇用管理に支障を及ぼすおそれがない」として、「日雇い派遣」が認められています。

「例外」の条件2:以下のいずれかにあてはまる場合(労働者側の4事情)

「日雇い派遣」の例外の4事情
(ア)60歳以上の人
(イ)雇用保険の適用を受けない学生(いわゆる「昼間学生」)
(ウ)副業として日雇派遣に従事する人(生業収入が500万円以上の者に限る)
(エ)主たる生計者でない人(世帯収入が500万円以上の者に限る)

上記(ア)~(エ)については「雇用機会の確保が特に困難な労働者等」であるとして、「日雇い派遣」が認められています。

どうすればいい?「日雇い派遣」の「例外」で働く方法

どうすればいい?「日雇い派遣」の「例外」ではたらく方法

前項で、原則禁止の「日雇い派遣」でも、「例外」があることがわかりました。

ここでは、「日雇い派遣」の「例外」で働く方法をご紹介します。

手順1:「日雇い派遣」を行っている派遣会社に登録する

まずは「日雇い派遣」を行っている派遣会社に登録します。

すべての派遣会社が「日雇い派遣」を行っているわけではないため、ウェブサイトで「日雇い」の求人があるか確認してみましょう。

求人探しでおすすめするサイトは「リクナビ派遣」。
ここでは複数の派遣会社の仕事を一度にさがすことが可能です。

会員登録後、フリーワードに「日雇い」と入力して、希望する地区の「日雇い派遣」の仕事を探してみてください。
(ただし「日雇い派遣」の仕事自体が多くはないため、求人数も多くはありません)

手順2:派遣会社の面談時に「例外」を証明する書類などを持参する

登録後、派遣会社での面談がありますので、そこに「例外(労働者側の4事情)」を証明する、次の書類などを持参してください

(ア)60歳以上の人:年齢を確認できるもの(運転免許証など)
(イ)雇用保険の適用を受けない学生:学生であることを確認できるもの(学生証など)
(ウ)副業として日雇派遣に従事する人:昨年の年収が確認できる書類(源泉徴収票など)
(エ)主たる生計者でない人:(源泉徴収票など)

なお、現在はコロナ禍により、面談をオンラインで行う派遣会社がほとんどのようです。
上記書類についてどのように提出するかは、各派遣会社にご確認ください。

手順3:「例外」として認められた業務ではたらく

派遣会社の面談に書類を持参し、「例外(労働者側の4事情)」を証明したら、「日雇い派遣」の仕事を紹介してもらってはたらきましょう

ただし、この仕事は前述の「例外」として認められた18業務であることを確認してください。

もし18業務以外であれば、”昔ながらの法令違反を犯す派遣会社”であり、危険な業務をさせられる可能性も。
その仕事は断って、記事「会社・仕事の悩みの相談先を紹介」でご紹介する「労働局」や「一般社団法人ボイス」へ相談してみてください。

なぜ?「日雇い派遣」が原則禁止となった理由

なぜ?「日雇い派遣」が原則禁止となった理由

次に、なぜ「日雇い派遣」が原則禁止となったのか、その理由を確認しましょう。

派遣元・先とも雇用管理責任が果たされず労災が発生したため

「日雇い派遣」が原則禁止となった理由は派遣会社・派遣先のそれぞれで雇用管理責任が果たされず、労災(労働災害)の発生の原因にもなっていたためです。

派遣会社としては、毎日何人もの派遣スタッフにしっかりとした説明ができておらず、派遣先としては「カンタンな業務だから」とロクに説明をしない。
そのためケガをする派遣スタッフが、絶えなかったようです。

しゅう
しゅう

僕がいた派遣会社でも、「短期派遣のスタッフにはしっかり説明し、ケガをさせないように」といった本社からのお達しが、何度も来てました。

また、某派遣会社(今はありません)が、「日雇い派遣(短期派遣)」の給料から、毎日100~200円を「データ装備費」として強制的に徴収することも問題となりました。

そのため、立場の弱い派遣スタッフを保護する目的で、労働者派遣法が改正され、「日雇い派遣」が原則禁止となりました。

「日雇い派遣」と「単発アルバイト」との違い

「日雇い派遣」と「単発アルバイト」との違いは、雇用先が派遣先か・はたらく会社かという点です。

派遣社員は、はたらく場所は「派遣先」ですが、労働契約をむすぶのも給料をもらうのも雇用主である「派遣会社(派遣元)」となります。

一方のアルバイトでは、はたらく場所も、労働契約をむすぶのも給料をもらうのも、雇用主である直接雇用された会社です。

なお「日雇い派遣」では、派遣会社が複数の派遣先(はたらく場所)を確保しているケースが多いため、一社だけの「単発アルバイト」よりも日雇いの仕事がある確率が高いともいえます。

「日雇い派遣」の実態をデータから確認

「日雇い派遣」の実態をデータから確認

記事の最後に、「日雇い派遣」の実態を厚生労働省が公表したデータから確認しましょう。

[データ①]2019年の日雇派遣労働者数は31,000人

まず、日雇派遣労働者数は下表のとおりで、2019年は31,000人でした。

日雇い派遣」の実態
日雇派遣労働者数の推移について 出典:厚生労働省

平成24(2012)年は、「日雇い派遣」が原則禁止となった年で、以降は急激に人数が減少しました。

それ以降は多少の上下があるものの、2万5千~3万4千人ほどとなっています。

[データ②]2019年に最も多かった業種は「受付・案内」で35%

次に業種をみてみると、2019年に行われた「日雇い派遣」で最も多かった業種は「受付・案内」で、全体の35%でした

日雇い派遣」で最も多かった業種
日雇派遣労働者の内訳〈業種別〉 出典:厚生労働省

次に多いのが「添乗」で30.9%
あとは、かなり差が開いて、「ソフトウェア開発」の9.1%、「事務用機器操作」の8.6%となっています。

[データ③]2019年に最も多かった属性は「主たる生計者でない人」で34.7%

最後に属性(労働者側の4事情)をみると、2019年に行われた「日雇い派遣」で最も多かった属性は「(エ)主たる生計者でない人」で、全体の34.7%でした

日雇い派遣」で最も多かった属性
日雇派遣労働者の内訳〈属性別〉 出典:厚生労働省

「(ウ)副業として日雇派遣に従事する人」は収入が500万円もあるためか、さすがに行う人は少ないですね。

なお、厚生労働省の資料では、ほかにも「日雇い派遣」についてのさまざまなデータが公開されていますので、興味のある方はご覧ください。

・参考:〈厚生労働省〉日雇派遣の原則禁止について(データは7ページから)

まとめ:「日雇い派遣」の正しいルールを知って適正に働きましょう

この記事では、原則禁止の「日雇い派遣」とその「例外」について、18業務と4事情をわかりやすく紹介し、さらに「日雇い派遣」ではたらく方法と実際のデータまで解説しました。

原則禁止の「日雇い派遣」ですが「例外」ルールもあります。
ぜひ記事を参考に、その正しい「例外」ルールを知って、適正な「日雇い派遣」ではたらきましょう。

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参考文献

この記事では、下記の書籍を参考にさせて頂いております。

  • 書籍 小島彰・著『パート・契約社員・派遣社員の法律問題とトラブル解決法』三修社
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